米国防総省、「ウクライナ原発からの放射能漏れは一切ない」
ジョン・カービー米国防総省報道官が、「ロシア軍に掌握された、ウクライナ南東部ザポリージャ原発からの放射能漏れは一切ない」と語りました。
ウクライナの地元当局は「ヨーロッパ最大とされるザポリージャ原発は、4日金曜未明にロシア軍の攻撃を受けた後、火災を起こした」と表明しています。
ザポリージャ原発は、同国内にある15の原子炉のうちの6つを有しています。
これに先立ち、ロシアはウクライナ・チェルノブイリ原発を掌握しました。
イルナー通信によりますと、カービー報道官は4日金曜午後、ワシントンで記者会見し、ウクライナ原発への攻撃を危険すぎる行動だとし、「この攻撃の結果は、一歩間違えばウクライナ国民、さらには近隣諸国にとって破壊的な被害をもたらしていたかもしれない」と述べています。
ブリンケン米国務長官も同日、ベルギー・ブリュセルにて、「ザポリージャ原発に対するロシアの攻撃は、原子力事故の危険を伴う可能性があった」と語りました。
ディ・カルロ国連事務次長も、ザポリージャ原発攻撃を議題とする安保理の緊急会合において、「原発やそのほかの民間施設の周辺における軍事作戦は、無責任な行動だ」と述べています。
こうした中、ロシアのネベンジャ国連大使は、ウクライナの核施設に対するロシア兵の夜間攻撃というウクライナ政府の主張を、虚偽だとして否定しました。
ウクライナ東部ドンバス地域当局が、協力合意文書に基づく軍事支援をロシアに要請したことを受け、ロシアは先月24日にドンバス地域での特殊軍事作戦を開始しました。
この数日、ロシアはウクライナ東部のロシア系住民への支援および、同地域のドネツク・ルガンスク両地域の独立の正式承認を理由に、アメリカとその同盟国から厳しい制裁を受けています。
ロシアはこれまでに何度も、ウクライナ側からロシアを脅かすことを許さない、と表明しています。