クリーンエネルギーの国際価格が30%上昇
複数の報告から、新型コロナウイルスの世界的大流行に伴い、クリーンエネルギーの供給プロセス、サプライチェーンに困難が生じ、またそれと同時に需要が増大したために、過去1年間でこの種のエネルギーの国際価格が30%上昇したことが明らかになっています。
イルナー通信によりますと、労働力や部品、運輸費用の増大および供給のプロセスに混乱が生じたことを受け、北米では今年の第1四半期において風力および太陽熱エネルギーが9.7%、ヨーロッパでは8.6%値上がりしています。
有識者らはこの原因を、コロナの世界的大流行期間を通じての労働市場や物流、経済に生じた混乱と見ており、この状況は特にロシアによるウクライナでの特別軍事作戦を受けて悪化した、とみています。
この戦争により、対ロシア制裁が強化され、化石燃料の価格が増大した結果、クリーンエネルギーの需要が増大した形となっています。
有識者らはまた、急激な需要の増加に伴う再生可能なエネルギーの値上がりに拍車がかかり、それによって経済成長が減速することを懸念しており、特に国連が地球温暖化の影響を食い止めるためにクリーンエネルギーのより速やかな普及を求めている中ではなおさらのことだ、としています。
こうした中、アメリカの太陽熱エネルギー企業Silicon Ranch CorporationのReagan Farr CEOは、あるインタビューにおいて、「現在、我々の供給プロセスにおいて解決できない諸問題が存在している。こうした中で、ウクライナ戦争により、ヨーロッパ諸国の政府はロシア産天然ガスへの依存を減らし、再生可能なエネルギーの需要を増やすことを余儀なくされた」と語りました。