スウェーデン警察がイスラム教徒のデモに介入、暴動に発展
スウェーデンで、極右派がイスラムの聖典コーランの公開焼却を計画していた一方、警察が曲右派をかばう形で介入したことにより、イスラム教徒の抗議デモが暴動に発展しました。
英ガーディアン紙によりますと、スウェーデン東部リンショーピンで、コーラン焼却に抗議するイスラム教徒らのデモにおいて、警察官3名が負傷し、病院に搬送されています。
また、警察は2名の抗議者を逮捕・拘束しました。
イスラム教徒の抗議集会は15日金曜、イスラム排斥主義者であるラスムス・パルダン氏の支持者の反イスラムデモとコーランの焼却が始まる前に開始されています。
また、デンマークの右翼・ストロームコルス党は、人口の半分以上を移民が占める地域でコーラン焼却や、反イスラムデモを開催しようとしていました。
反イスラムデモは15日金曜午後に行われる予定でしたが、イスラム教徒の抗議により、予定された時間の実施を阻止されました。
しかし、スウェーデン警察の介入と支援により、午後17時に開催されています。
ロイター通信も、スウェーデン・エレブルーでのイスラム教徒の抗議集会で4台の警察車両が放火され、4人の警官と1人の一般人が負傷したと報じました。
スウェーデンの通信社TTは、コーランが15日未明にパルダン氏によって放火された後、同国ストックホルム郊外リンケビー地区で激しい抗議行動が起こったと報じています。
パルダン氏は今年と昨年、デンマークの首都コペンハーゲンや他の都市で同様の行動を起こしましたが、そこでもイスラム教徒の抗議に直面し、また警察の介入で暴動に発展した過去があります。
イスラム教徒の抗議者らは、極右派やパルダン氏個人に対する暴力行使を決して求めず、スウェーデンの警察と他のヨーロッパ諸国にイスラム教徒の聖典への侮辱をやめるように求めただけでした。しかし、警察は表現の自由の支持という名目でイスラム教徒の抗議を激しく弾圧しました。
パルダン氏は以前、ドイツやフランスなどの他のヨーロッパ諸国でもコーランを燃やそうとしましたが、警察はこれを阻止しており、この極右派のコーラン焼却をかばうスウェーデン警察の行動は物議をかもしています。