May 14, 2022 19:49 Asia/Tokyo
  • ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官
    ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官

ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官が13日、遭難した日本の観光船「KAZU1」の行方不明者の千島列島(ロシア名:クリル諸島)での捜索に関して、「日本側が自国民の捜索よりも領有権の主張を優先させている」と批判しながら、ロシアが人道的観点から今後も捜索に協力する意向を示しました。

ロシアのスプートニク通信によりますと、同国の外務省は今月6日、日本の北海道知床沖で遭難した観光船「KAZU1」の行方不明者について、千島列島「南クリル諸島のロシアの領海」で遭難者を捜索していると表明していました。

ザハロワ報道官は、ロシアが日本側の要請に基づいて南クリル諸島近海における捜索や救助に協力してきたと指摘し、それにも関わらず、日本の外交当局は6日の「KAZU1」に関する露外務省のコメントについて、南クリル諸島に関する日本の法的立場に反するとして在日露大使館に抗議するといった「不体裁な試み」を行ったと批判しました。

ザハロワ報道官は「日本の外交工作は、不適当で意味がなく、全く根拠薄弱だ」としたうえで「南クリル諸島における露の主権に疑いはない」と主張しました。

また、日本側は自国民の捜索よりも領有権の主張を優先させていると指摘し、「反露ヒステリーを背景に日本側が外交的な倫理観だけでなく、基本的な人間性を忘れている」と述べました。

一方で、「このような日本側の振る舞いに関わらず、ロシアは人道的観点から遭難した方々の救助にあたる」と捜索活動で日本に協力する姿勢を示しました。

日本では先月23日、知床半島沖で乗員乗客計26人が乗る観光船「KAZU 1」が沈没する事故が発生し、翌24日には11人が、28日には3人が発見され死亡が確認されました。さらに今月13日には、国後島の海岸に不明者とみられる女性の遺体が打ち上げられているのが見つかっています。

 


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