ロシア・ルーブルが過去4年間で最高値を記録
ロシアの通貨ルーブルが、ドルに対しては過去4年間で、またユーロに対して過去7年間の最高値を記録しました。
去る2月24日にロシアがウクライナでの特殊軍事作戦を開始した後、EU欧州連合と米国は、カナダや英国とともに、海外のロシア中央銀行の資産を凍結しました。
これにより、ロシアは国外での外国為替と金の準備備蓄の約半分へのアクセスを禁じられた形となっています。
ロシア大統領府もこれに対抗措置を講じ、同国の非友好国に対しては、ロシア産天然ガスの輸入代金のルーブル払いを要求しました。
ロシアのプーチン大統領は、ルーブル建て支払いに同意しない国に対しては、ロシアからのガスの移送を停止すると通告しています。
アメリカの金融情報サイトブルームバーグによりますと、ロシア・ルーブルは去る4月の西側の経済制裁による急激な下落にもかかわらず、今年世界で最高の通貨となりました。
需要を押し上げた新しいルーブル建てのガス支払いと法人税の引き上げにより、ルーブルが強くなった形となっています。
ロシアルーブルはユーロに対して5%近く上昇し、1ユーロあたり60ルーブル弱に達しました。
資本規制の一環として、ロシア国民や外国人居住者は、公式の為替レートでユーロ、米ドル、またはその他のヨーロッパ通貨を購入することが許可されていますが、今年9月9日までは外貨預金を引き出すことはできなくなってります。
今年3月9日以前にロシアの銀行にドル・ユーロ建て口座を持っていた人は、9月9日までの期間に1万ドルまたはこれと同等の額を引き出すことができます。
ブルームバーグによりますと、ロシアの株価指数も上昇しているということです。
モスクワの株価指数はドルに対して0.33%上昇し、RTS指数はルーブルに対して0.72%上昇しました。
モスクワ証券取引所によりますと、対ドル57.67ルーブルというレートは、2018年3月以来ルーブルが最強となっていることを示しています。