トランプ氏;「悪が存在するからこそ武装すべき」、テキサス乱射受け
(last modified Sat, 28 May 2022 10:49:24 GMT )
May 28, 2022 19:49 Asia/Tokyo

ドナルド・トランプ前米大統領が、南部テキサス州の小学校で起きた銃乱射事件を受けて銃規制の強化を求める声を否定し、米市民には「悪」から身を守るために銃の所有が認められるべきだと述べました。

フランス通信が28日土曜、報じたところによりますと、トランプ氏は27日金曜、ヒューストンNRAで全米ライフル協会が開催したイベントの冒頭で、「世界に悪が存在する以上、法を順守する市民の武装を解除する理由はない。悪の存在は、法を順守する市民が武装する大きな要因となっている」と語っています。

また「左派が推進するさまざまな銃規制政策は、今回の惨劇を防ぐのに何の役にも立たなかっただろう」と述べました。

その一方で、トランプ氏は容疑者を「正気を失った」制御不能な人間と呼び、犠牲となった19人の児童の名前を読み上げた上で、銃規制の努力は「グロテスク」だと表現しました。

さらに「学校の警備を強化し、子どもたちを守るために、すべての州、自治体レベルで共和党員も民主党員も皆で団結しなければならない。今必要なのは、全米の学校の警備態勢を徹底的に見直すことだ」と付け加えています。

そして、米国が拠出を準備している400億ドルに及ぶウクライナへの大規模支援について想起させ、繰り返される銃乱射事件から子どもたちを守るためにすべての資源を活用するように現政府に呼びかけました。

続けて、米国がイラクやアフガニスタンに「何十億ドル」も費やしたが、何の見返りも得られなかったことにも触れ、「世界の他の国家を築く前に、我々は自国の子どもたちのために学校を安全にするべきではないか?」と群衆に疑問を提示しています。

今月24日、テキサス州ユバルディにあるロブ小学校で発生した銃乱射事件では、18歳の容疑者が、児童19人と教員2人を殺害するという、同州史上最悪の学校での銃乱射事件となりました。

捜査の結果、この事件の容疑者は、事件で使用したAR15型半自動ライフルを合法的に購入していたことが判明しています。

公式統計によりますと、米国内にはおよそ2億7000万から3億丁の銃器が出回っています。これは国民一人当たりほぼ1丁の武器を持っている計算になります。

全米各地では、武器携帯が自由であるために毎日のように銃犯罪が起こっており、その大半で死者が出ています。しかし、銃ロビー団体の力が非常に強いことから、米議会は武器所有を制限するには至っていません。

 


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