聖なる防衛の記憶
イラン国民の聖なる防衛、1980年代のイランイラク戦争は、イスラム女性のアイデンティティや人格を知るための機会となりました。
聖なる防衛から30年近くが過ぎた現在、多くの記述や書籍は、この問題を別の側面からとらえたものとなっています。戦争や防衛は、戦場だけの物語に限られません。私たちは数多くの書籍の中で、戦士たちの家族や妻の生活を覗き見ることになるのです。
先週水曜、イラン西部のハメダーンで、この州の作家による聖なる防衛に関する4冊の本についての最高指導者の覚書の公開と共に、抵抗の文学を保護するための6回目の式典が開催されました。この式典は、イスラム革命文化研究協会が主催したもので、「シーナーの娘」、「月の明かりが消えた時」、「ゴレスターン11番」、「水は死なない」の4冊の本に対する最高指導者の4つの覚書が発表されました。

イスラム革命文化研究協会の出版関係者は、最高指導者は殉教者の地位を他のいかなる地位よりも高いものと見なし、殉教者の遺族であるという栄誉は他のどの地位とも比較できないものだとしていると強調し、次のように語っています。
「殉教者の遺族に対する最高指導者の行動は感情的なものではない。最高指導者は、殉教者について語るのは、彼らの遺族が忍耐強く歩み続け、国の将来のためにその旗を掲げ続けられるよう、奨励する必要があるためだと話している。これまでに聖なる防衛に関する作品への最高指導者の45を超える覚書が発表されており、それらには共通点が見られる。まず、これらの覚書の中で、殉教者と戦争被害者、献身者、それからこの偉大な男性たちの家族や妻の信仰と忍耐、意志の価値が称賛されていることだ。第二に、この神の戦士たちの信仰や精神の向上と目標の達成が注目されていることである。第三に、殉教者や献身者の妻たちの信仰と忍耐、誠実さが注目され、第四に、これらの作品の作者が称賛されている。最高指導者は、これらの文章力やエネルギーに溢れた作品を記した作者を称賛している」
「シーナーの娘」という作品は、イラクのサッダームフセイン政権の攻撃に対するイランの聖なる防衛の時代の、女性たちの記憶に関して記されています。この作品は、セターレという女性の幼少時代から夫の死までを描いたものとなっています。

「シーナーの娘」という本は、若い娘の生活、結婚、共同生活を描いています。この本は、戦争の時代の家族や町の状況を現実に近い形で語っています。
この作品は、トルコ語、英語、アラビア語に翻訳され、聖なる防衛の年間図書にも選ばれました。この本への最高指導者の覚書は次のようなものとなっています。
「至高なる神の御名において。信仰を持った忍耐強いこの女性と献身的な若い戦士に神の慈悲がありますように。この戦士は愛する妻がいながら、困難な戦いに挑んだ。この2人の気高い人間の子供たちも称賛されるべきである」
「月の明かりが消えた時」という作品は、ある男性の子供のころの思い出と共に始まります。靴を片方しかはかずにサッカーで遊ぶ元気な少年の姿や彼の興味深い青春期の記憶は、読むものの口元に微笑みを浮かばせます。

イランイラク戦争の開始と共に、少年は戦場に行きたい一心で訓練を受け、司令官の満足を得るために必死に努力します。この本の中では、この若者の魅力にあふれた戦場での活躍が描かれています。この本に送った最高指導者の覚書の内容は次の通りです。
「慈悲深く、慈愛あまねき、神の御名において
ハメダーンの子供たち、純粋な心を持った子供たち、偉大なる男性たち、シーア派3代目イマーム、ホサインの仲間たち、神の宗教の援助者たち、勇敢で忍耐強い母たち、精神性に溢れた空間、明るい心、強い決意、洞察力、これらがこの作品から湧き出るものであり、読むものの心を満足させ、炎を煽るものである。
語り手は生きた殉教者である。この語り手の苦んだ肉体は、心の目覚めを抑えることができなかった。作者もまた、このような経験をした人物である。彼らに神の満足という美徳が注がれるように。この本については語りつくすことができない。この本の恩恵ははるかに大きなものである」
「ゴレスターン11番」という作品は、殉教者の妻たちについて語られた模範とも言えるもので、殉教者とその妻の短い共同生活を描いています。勇気と戦闘の技術に優れた司令官は、家の中では母と妻に対して愛情を注ぎ、まるで戦場にいたことなどなかったかのように振舞っています。

作者は読者に女性の心を細かに伝え、この本を非常に魅力的なものにしています。「ゴレスターン11番」は、戦争の中の愛情にあふれた平穏であり、殉教者の子供が生まれるところから始まり、最近までの事柄を描いています。作者はこの本の中で、新たなテクニックを用い、これまでとは異なる雰囲気を醸し出しています。会話によって人格を表す、登場人物の方言をそのまま用いる、思い出を引用する、といったことが、この本で用いられているテクニックです。
最高指導者がこの本に送った覚書です。
「慈悲深く、慈愛あまねき、神の御名において。
これは悲哀に満ちた物語であり、若いながらも、偉大な宗教的人物の地位にまでのぼりつめた男性の人生を描いたものである。彼の短い生涯を共に生きた語り手もまた、純粋な心を持っていることが明らかになっている。この中で、作者は芸術的な情熱にあふれた表現を用いている。語り手も作者も共に素晴らしい人物である」
最後の作品、「水は死なない」は、戦争で被害を受けたミールザー・モハンマドという男性の記憶を語った回想録です。そこでは、新たなストーリーの構成が用いられています。作者は、主人公の記憶を完成させるため、ハメダーンの数々の軍司令官や戦士たちの回想を挿入しています。また、誇張がなく、明白な形で戦争の事実を語っており、読者を戦争の中で起こったさまざまな出来事へと引き込んでいます。

この本のいたるところで、ミールザー・モハンマドの記憶が述べられており、それはイスラム軍と世界の創造主である神との精神的なつながりを示しています。この聖なる防衛の司令官は、22歳のときに戦場に赴きました。その後、何年も戦場で戦い、5回負傷し、最後は2本の足を失ってしまいました。
最高指導者のこの本への覚書です。
「慈悲深く、慈愛あまねき、神の御名において
イマームホセインの信者たちとハメダーンの兵士に平安あれ。殉教者、昼に闘い、夜に礼拝する人々に平安あれ。ミールザーモハンマドと彼の妻に平安あれ。この本を読むことによって楽しい時間を過ごすことができた。戦争の記憶に関して記された本の中でも、この本は最高のものである。力強い表現、みなぎるエネルギー、大きな希望、それらが合わさってこの本ができあがった」