真理の出現
数年前、イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師は、西側の若者たちに向けて2つの書簡をしたためました。この書簡の内容は、大々的に発表されました。
西側のメディアが取り上げなかったにも拘わらず、ハーメネイー師の書簡は大きな支持を得ました。この時間は、この問題についてお話しましょう。
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師の最初の書簡は、2015年1月、パリで、タクフィール主義のテロ組織による犯罪が起こった後に発表されました。このテロ攻撃は、西側、特にヨーロッパ諸国に、イスラム恐怖症や反イスラムの思想を広めることになりました。
この事件の2週間後、ハーメネイー師は、欧米諸国の若者に宛てて書簡をしたため、イスラムの恐ろしいイメージを示す行動は、この宗教に対する大規模な中傷だとし、西側の若者たちに対し、個人的な研究により、何かを介さずにイスラムを直接、知るよう求めました。
この出来事からおよそ1年後の2015年末にフランスで再び、大規模なテロ攻撃があり、130人が死亡しました。ハーメネイー師はこのとき、欧米の若者に向け、「今日、テロは我々の共通の懸念材料だ」とする2通目の書簡を発表しました。
ハーメネイー師は、この書簡を次のように始めています。
「フランスの盲目的なテロによる苦い出来事により、我々は再び、あなた方若者たちと話し合うべきだと感じた」
ハーメネイー師は、若者たちに対し、より安全な未来のために解決策を考えるよう呼びかけ、西側の若者たちが、その回答を見つけることで、新たな真理を発見できるような疑問を提示しました。
イスラム恐怖症とテロが拡大する中で、ハーメネイー師の2通の書簡が発表されたことは、近年の最も重要な出来事のひとつであり、イスラム教とハーメネイー師のメッセージを伝えるために、外交の可能性を利用したものでした。この2つの書簡は、国際社会に広まっていたイスラム恐怖症の雰囲気に影響を及ぼすことができました。
一通目の書簡は、50言語、二通目の書簡は62言語に翻訳され、ネット上では、10万回以上の直接、閲覧されました。また、ソーシャルメディアや通信社でも、この書簡が翻訳、発表されています。実際、ハーメネイー師の欧米の若者に宛てた書簡は、イランの外交政策におけるポテンシャルの解放に向け、新たな可能性を生み出しました。
ハーメネイー師が西側の若者に宛てた2通目の書簡の発表記念日に合わせ、最高指導者作品保護事務所とイスラム革命機関によって新たなイニシアチブが発揮され、国内外のゲストが出席する中、「真理の出現」と題する会議が開催されました。この会議は、学術、文化関係者の前で、ハーメネイー師の書簡が改めて紹介されるための機会となりました。
この会議で、最高指導者事務所のゴルパーイェガーニー所長は次のように語りました。
「ハーメネイー師はメッセージの中で、ヨーロッパの若者たちに、イスラムの預言者の生き方と聖典コーランを参照するよう呼びかけ、あなた方若者は、政府によって搾取されている、彼らはあなた方に問題の真実を隠そうとしていると語った」
ゴルパーイェガーニー所長はさらに、次のように続けています。
「これらの書簡は間違いなく、肯定的な影響を及ぼしている。清らかな性質を持つ人々であれば、聖典コーランが、人類を現世と来世の幸福にいざなうことができる書物であることを理解する」
イランのヴェラーヤティ国際担当最高指導者顧問は、真理の出現会議の中で、イスラム教徒の統一と、イスラムや革命の強化に向けたハーメネイー師の措置の一部を説明し、次のように語りました。「ハーメネイー師は、ホメイニー師の最も優れた弟子で、イスラム世界を西側、植民地主義者、シオニストから解放する上でのホメイニー師の役割を継承した」
ヴェラーヤティ顧問は、西側は、イスラム教徒の間に対立を生みだし、西側の民間警備会社・ブラックウォーターが西側のために行ったのと同じことを行わせるため、過激なイスラムという名のテロ組織ISISを結成しようとしているとし、次のように語りました。「彼らはイスラムを暴力的な宗教に見せ、自分たちの思い通りのイスラムを真のイスラムとして世界に示そうとしている。しかし、ハーメネイー師は、ヨーロッパの若者に2通の書簡を送るなどの行動によって、イスラムの真のイメージを示し、イスラムの各グループを支援し、強化した」
西側の若者へのハーメネイー師の2通目の書簡が発表されてから2周年を迎えました。この時間は、真理の出現という特別番組をお送りしています。
イランのザリーフ外務大臣は、真理の出現会議で、まず、世界の力と関係に生まれている変化に触れました。
「国際関係において基盤となるこのような変化は、ホメイニー師によって形作られた。後に我々は、1990年代から、ある時代を目にした。その時代は、ハーメネイー師が、歴史の曲がり角と名付け、国際関係の思想家や文筆家の多くが、移行期間と名付けた期間である。最近、西側も、この期間は特別な特徴があり、その特徴とは、我々が西側の後の世界へと向かうということであることを認めている。それは、西側が、世界における立場や重要性を失っているという意味ではない。それが意味するのは、現代の歴史の中で初めて、国際関係に起こった変化が、西側で形作られたのでも、西側によって形作られたのでもない、ということである。これは、国際関係を知る上で戦略的な重要性を有している。そのため、ソ連崩壊後、イスラムとイスラム体制のイメージを、イスラム恐怖症やイラン恐怖症、シーア派恐怖症といった形で示すことが、西側によって、真剣な目的として追求された」
ザリーフ外相はさらに、「ISISというイスラムの名を借りたテロの危険を作り出した者たち自身が、この問題の裏に隠れている」とし、次のように語りました。「ハーメネイー師が書簡の中で提起したように、なぜ、西側で生まれ、西側で学んだ人々、英語やフランス語を母国語のように話す人々が、なぜ、シリアやイラクで子供たちの首を切っているのか?なぜ、彼らが、これほど多くの野蛮な行動を見せているのか?西側は、このような人々の教育に関してどのような回答を持っているのだろうか? これは、根本的な疑問である。だが、他者に誹謗中傷を浴びせるのではなく、解決策を見出さなくてはならない。ハーメネイー師は、若者たちへの書簡の中で、この問題を解決し、この苦痛を癒すことができるのはあなた方であると語りかけている。一人の善良な人物、国際社会の未来と、実際、共通の痛みについて考え、異なる未来に向かう人間としてである。このことから、ハーメネイー師が、このような力の重要な側面、つまり、国際関係の未来を描く力と対話の力に注目していることが、非常に明らかになる」
カナダ人の思想家、デニス・ランコートは、真理の出現会議の中で、次のように語りました。「ハーメネイー師の書簡は、国家に混乱を作り出すためのロビーやアメリカの努力にもかかわらず、人間性と共存が、西側を支配することができるということを示している。とはいえ、それは、もし西側の若者が、自己を大切にし、公正、憐れみ、寛容さを一体となって感じるために動いた場合のことである」
ランコートは次のように続けています。「ハーメネイー師の書簡は、現在も深みを持っている。これは、深い考えを持つ指導者からの確かな書簡であり、明らかに、すべての人々の安全、意味のある開発、協力に伴う世界の発展を求めるものである」
アルゼンチン出身の女性、バレリア・ロドリゲスは、真実の出現会議で次のように語りました。「世界の覇権主義者は、ハーメネイー師の書簡が発表されるのを許していないが、この2通の書簡は、世界中の若者たちの手に渡った。ハーメネイー師が書簡の中で語った言葉は、深い意味を持つものであり、時が経過しても忘れられることはない。若者たちは、ハーメネイー師の言葉、特にハーメネイー師の書簡に注目すべきである。とはいえ、西側のメディアは、反イラン、反イスラムの雰囲気を作っており、それに対抗する最良の方法は、ハーメネイー師の書簡を読むことだ」
ロンドンのヘダーヤトTVのアディール局長は、この会議で、「しばらく前から、ハーメネイー師の書簡の内容について研究しており、それに関して、128ページの書籍を記した。この書籍は来月、出版される」
と語っています。アディール局長は、ハーメネイー師が西側の若者に向けて記した書簡の最も重要なメッセージとして、社会の思想の成長と平和に向かうことを挙げ、次のように語りました。
「ハーメネイー師の書簡は、世俗主義のパリで発表され、9.11の計画的な陰謀を明らかにした。この書簡の内容は非常に奥深く、重要なのは、西側世界だけでなく、世界全体を真実へといざなっていることである。この書簡は、人類や人類の宗教に扉を開く意味を持つものだ」
アディール局長はさらに、こう強調しました。「パリのテロ事件後、世界の覇権主義者は、この攻撃を新たな9.11にしようとした。だが、ハーメネイー師の2通目の書簡はそれを許さず、戦争の扉を閉ざした」
真理の出現会議では、2つの著作が発表されました。それらは西側の読者に向けて記されたものです。その一つは、コーランを基準にしたよりよい生活、ハーメネイー師の人格について取り上げています。この書籍は、ロンドンの出版社によって出版されています。もう一つの自発的な行動も、この分野に関心のある人々によって示され、書簡の解説が、さまざまな言語によって発表されています。