3月 19, 2022 05:00 Asia/Tokyo

ノウルーズの祝祭は、イランのすべての民族を結びつけ、イランの先人たちの知恵を示す、古代の最大の祝祭です。

ノウルーズは、平和、友好、愛情をもたらし、自分自身と和解し、世界の人々と平和を築くための機会です。このような機会により、ノウルーズは単なる祝祭ではなくなっています。この時間は、平和の確立におけるノウルーズの役割についてお話しましょう。

 

国連総会は、2010年2月23日、決議を採択し、イラン暦のファルヴァルディーン月1日にあたる3月21日を、ノウルーズ国際デーに決定しました。

 

国連の歴史の中で初めてとなったこの措置により、イラン人のノウルーズは、国際的なイベントとして正式に認められました。

 

3年前から、ノウルーズの祝祭に、「ノウルーズ、平和と友好の遺産」というスローガンが選ばれ、10年後まで、ノウルーズの正式な祝典が毎年、行われることになりました。

 

国連でのノウルーズの祝典

 

国際的な会議や文書の中で、ノウルーズという言葉が、平和という言葉と共に用いられていることは、ノウルーズのメッセージと見なすことのできる重要な点を指摘するものです。ノウルーズのメッセージとは、“通信技術が進歩していなかった時代であろうと、世界の人々がネット空間を通じて近づくことができる現代であろうと、共通の儀式以外に、世界の人々を対話へと誘い、平和を保障するものはない”ということです。

 

ノウルーズは、イランの人々によって生まれた祝祭で、数千年の歴史を有しています。ノウルーズは、太陽が春分点に達することを祝うものであり、暗くて寒い冬が終わり、新たに春がやって来たことを伝える祝祭です。

 

春のつぼみや明るさは、その到来を待ち望む人々のための贈り物です。ノウルーズは個人的な祝祭でも、特定の時代や場所、民族に限られたものでもありません。ノウルーズは、肌の色や人種、宗教や言語の違いを超え、ノウルーズを大切にするすべての人の祝祭です。ノウルーズほど、その名や意味、時代や祝い方の点で、平和と共存を象徴する祝祭は他にありません。

 

ノウルーズの祝祭は、イランの先人たちの貴重な遺産として、国境を越え、すべての人を清らかさへと導くものです。

 

 

イラン人は、人生の中で常に成長を続けるためには、平和が必要だと考えています。平和によって、平穏や幸福を伴う人生を送ることができます。ノウルーズが世界の平和に与える影響は、さまざまな点から熟考に値します。平和と友好は、健全な生活の基盤であり、不和や対立は、人生を無駄にし、堕落する原因となります。さまざまな民族の歴史を見ると、平和や和解が存在するところでは、人類の文明や文化が成長してきたことが分かります。

 

ノウルーズは、友好や和解のための特別な機会です。イラン人のノウルーズには、人々が平和的に共存する上での完全なモデルが示されています。何らかの理由で仲たがいをしていても、ノウルーズの訪れによって、平和と和解の機会が得られ、憎しみや敵対の代わりに、愛情がもたらされるのです。

 

新しい年の訪れを祝う儀式を行うには、人々の間に平穏と平和が確立されていることが必要であり、イランの人々はノウルーズを祝うことによって、実際、平和と平穏に溢れた生活を具現しています。

 

ノウルーズは、人類の生活と世界の平和を実現するためのきっかけです。イラン人にとって、春やノウルーズの雰囲気は愛情に溢れており、人間の人生が、自然からヒントを得ることによって、対立や不和によって枯れた芽を再び芽吹かせるための機会なのです。

 

伝統的な慣習を見ると、それらが平和をもたらすものであることが分かります。それらの慣習は、さまざまな民族を結びつけるものです。イランは、民族や文化の点で最も多様な社会であると言えます。

 

イランの文化や民族は、いくつかに分けることができ、それらは独自の特徴を持つと同時に、互いに結びついています。これらの多様性を結びつける最も重要な要素は、それぞれの文化を形成する要素の共通点と、共通の考え方です。では、民族の多様性は、どのようにして協調を生むのでしょうか?

 

さまざまな祝祭は、イランの民族の間の結びつきを示す象徴です。さまざまな国が独自の祝祭を持つのと同じように、イランでは、それぞれの民族が、国民としての文化を利用し、あらゆる祝祭の中で共通点を持っています。イラン博物館国立委員会の委員長であるタバタバーイー氏は、次のように語っています。

 

「イランの文化では、夜から昼、暗闇から光、寒さから暖かさに変わることを祝う儀式が数多くある。これらは、協調を促し、過去と未来を見つめるための祝祭である。なぜなら、さまざまな要素は無形遺産の中で具現化され、人類の共通の遺産として捉えられるからだ」

 

ノウルーズ、イランのさまざまな民族の共通の祝祭

 

ノウルーズの重要な特徴のひとつは、人間が、自分自身と和解し、心の中で自分との関係を改善するための適切な機会です。私たちは皆、生活の中でさまざまな選択や決定を迫られます。後からそれらについて考えるとき、過ちだったと気づいたり、時には苦痛を伴うこともあるでしょう。自分自身や大切な人を苦しめる結果となった選択をしてしまい、後悔にさいなまれたとき、どうすればよいのでしょうか。その過った決断をその後もずっと後悔し続けなければならないのでしょうか?

 

心の平穏を得るには、まず、自分自身と和解しなければなりません。自分自身との和解とは、つまり、過去のすべてを受け入れることです。いつどのような決断を下したとしても、それはそのときの最高の選択だったのであり、その結果が悲しく苦しいものになったとしても、最も重要な教訓を与えてくれます。そしてそれは、人生の後の段階において、精神的な成長をもたらすことでしょう。

 

ノウルーズは、自分自身との和解の機会であり、人間は、自然の再生と同時に、それに合わせて生まれ変わります。春の風と共に緑が広がることで、人間の心に活力が生まれます。イラン人はそれを再び生まれ変わるためのきっかけと考えています。

 

イランの現代人類学者のブルークバーシー氏は、ノウルーズの祝祭が和解をもたらすことについて次のように語っています。

 

「ノウルーズ、人々はまず、闇から生まれる現世の生活の穢れのすべてを、自分の周辺から追い払い、遠ざける。その後、新年の訪れと自然の再生により、新たなエネルギーを得て、新しい一年に社会的な責務を受け入れる用意を整え、それをスタートさせる」

ノウルーズ、イランのさまざまな民族の共通の祝祭

 

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