ペルシャ語ことわざ散歩(155)「足で歩けば靴が破れ、帽子を被っていれば帽子が破れる」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつ紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「足で歩けば靴が破れ、帽子を被っていれば帽子が破れる」です。
ペルシャ語での読み方は、Baa paa berii kafsh paare mishe baa sar kollah となります。
このことわざが意味しているのは、「足で歩けばいつかは靴が破れる。
靴を買うお金を出したくなくて頭で歩けば、帽子を買う費用がかかる。
ゆえに、何かをするのにそれにかかる費用や損害だけを考えていたのでは何もできない。
何かをすれば必ず何かを失う。損をする何かが壊れるのが世の常である」ということになります。
つまり、「何かをすれば必ず結果が伴う。
それゆえに予想される損害や恐れなどから、大きな決断をためらってはならない」こと、特に誰かが何かをしようとする時に恐れてはならないとアドバイスする時によく使われているようです。
また、何かをしようとする時に、それにより今後予想される、自分に降りかかってくる損害や費用を避けたいがために何もしなかったのでは、進歩できないと同時に利益も得られない、何をするにしても、またいずれの道を選ぶにせよ出費や損害は避けられない、という意味でも使われます。
チベット仏教の最高指導者ダライラマ14世は「何事かに九回失敗したとしても、それでも、九回の結果を生んだではないか」と述べています。
また科学者アインシュタインも、「私は失敗したことがない。
ただ1万通りの、うまくいかない方法を見つけただけだ」 という名言を残しています。
世界の偉人たちも述べているように、悪い結果や失敗、費用や損害を恐れずに何かに取り組み、どのような結果に終わったとしてもそこから気づきや学びを得て今後に生かすこと、思い切った決断が大切になる場合は、私たちの人生において何度も訪れると思われます。
仮に何かをしてよい結果がでなくとも、また相当の出費があったとしても、勉強の機会、授業料を払って何かを学んだと考え、今後に生かす考えを持ちたいですね。それではまた。