7月 20, 2023 16:00 Asia/Tokyo

今回ご紹介するのは、「藁があなたからのものでなくとも、干草小屋はあなたからのものだ」です。

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「藁があなたからのものでなくとも、干草小屋はあなたからのものだ」です。

ペルシャ語ので読み方は、Agar kaah az to niist, kaahdaan ke az toostとなります。

このことわざは、特に自分の負担でなく誰かにご馳走してもらった、誰かのおごりでご馳走に預かったり、食事に招待されたりした場合などに、際限極まりなく食べまくる人への戒めとして使われます。

このような状態はまさに、馬に出される干草は馬自身が用意したものではなく、その干草が入っていく胃袋、第2の干草小屋が馬にあるようなもので、ペルシャ語では「荷運びの馬の胃袋」という表現もあります。

ちなみに、調べてみましたところ、実際に馬の一日の採食時間は13時間から16時間にも上り、干草で言うと5kgから10kg、配合飼料であれば3kgから4キロを与えるそうです。

日本語でも「牛飲馬食」と言われ、特に馬の場合には走ることが非常に重視されており、仕事率の単位として馬力という言葉も使われ、馬が発揮する力にはすさまじいものがあるといわれています。

しかし、私たち人間にいくら食べ放題のような条件が与えられたとしても、馬のまねをして再現極まりなく、また胃袋が消化できる限度以上に食べたのは、結局食べ過ぎによる胸焼けや腹痛、消化不良などを起こすことになります。

確かに、食事へのご招待やお呼ばれ、他人との楽しい会食の場では、ついその場の雰囲気につられて食べ過ぎてしまう、という人も少なくないと思われます。しかし、「腹八分目に医者要らず」ということわざにも言われるとおり、満腹するまで食べ続けないほうが健康によいとされています。

また、ご招待やお呼ばれではなくとも、最近ではスマホやテレビを見ながらの「ながら食べ」が問題になっています。食事中にスマホやテレビを見ていると、食べ物に意識が向かず、消化酵素や唾液が分泌されにくくなり、消化が不十分な状態で食べたものが消化管を通ることから、消化器官にかかる負担が大きくなります。

特にスマホやパソコンが日常生活の一部となっている現在、こうした文明の利器に気をとられての「無意識の食べ過ぎ」にも注意したいものですね。それではまた。

 


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