11月 21, 2023 17:34 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「男の言葉は1つである」です。

ペルシャ語での読み方は、Harf-e mard yekii astとなります。

このことわざは、日本語で言う「武士に二言はない」に相当するもので、自分が約束したことや発言した内容を取り下げることはない、最後まで守ることを相手に確約するようなときに使います。

また、表現上は「男」となっていますが、必ずしも男性だけを意味するのではなく、本来は「ひとかどの人間として」という意味に解釈され、女性の言葉はくるくる変わるという意味ではありません。つまり、「人として自分が約束したことを守り抜く」ということであり、勿論女性どうしでこのことわざを使ってもかまいません。

もっとも、場合によっては頑固な性格で、自分の考えが間違っているような場合でもそれを改めたり撤回したくない人が、意地っ張りになって自分の考え方を押し通すような場合にも、この表現が使われることもあります。

私たちの身の周りにも、状況によって発言内容がくるくる変わる人、何とか自分が立場上不利にならないよう毎回言うことを変える人はよく見かけるのではないでしょうか。このような人は結局、自分の本音を語っているのではなく、その場その場において自分が立場上不利にならないよう、自分に都合のよい事を言っているだけだと思われます。このような人は自分に自信がなく、人から嫌われたり、問責されたりしないよう自分をかばうことしか考えていないのでしょう。

そもそも、人間は全ての人に好かれ、期待に応えることはできません。また、人間関係においては、集団の中における2対6対2の法則があるといわれ、ある集団の中で自分に賛成してくれる人の割合は20%、どちらでもない人が60%いると同時に、必ず反対派に属する人が20%は存在するそうです。ということは、自分が何らかの意見を述べたとすれば、必ず反対する人が出てくるのは当然ということになります。

自分の誤りに気づいたときや、何かの理由により考え方が変わった場合はともかく、状況によって言うことが頻繁に変わるような人は信用できないものです。アドラー心理学で言われる、よい意味で「嫌われる」勇気を持ち、自分の考えはこうであると、終始一貫した自分軸を持って行動することが大切ではないでしょうか。それではまた。

 


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