11月 02, 2016 17:01 Asia/Tokyo
  • イラン産キャビア
    イラン産キャビア

今回は、高級食材の一つ、イラン産キャビアについてご紹介しましょう。

キャビアは非常に栄養価の高い食品です。キャビアはチョウザメの卵で、オレンジ、黒、金といった色があり、中でも黒いキャビアが最も貴重なものとなっています。

 

チョウザメ、あるいはスタージオンと呼ばれる魚は、シーラカンスと同じ古代魚とされ、世界で最も貴重な魚とされています。中には、チョウザメはジュラ紀から生息していたとする説もあります。

イラン産キャビア

 

恐竜などが生きていた時代、チョウザメ科の魚は、北半球の全体でみられていました。しかし、時の経過とともに、環境が変化すると、これらの魚が生息する環境は徐々に狭められていきました。現在では、カスピ海、ウラル海、アラル海、黒海と、欧米の一部の地域で見られるのみとなっています。しかし、チョウザメの主な生息地は、世界最大の湖であるカスピ海です。統計によれば、世界のチョウザメ科の魚の93%がカスピ海にいるとされ、カスピ海の特別な状況により、世界のチョウザメ科の魚の漁獲高の90%をカスピ海が占めていると言われています。

イラン産キャビア

 

チョウザメ科の魚は20種類以上にのぼります。そのうち、オオチョウザメ、ペルシャチョウザメ、ロシアチョウザメ、ホシチョウザメなど、最も重要な5種類がカスピ海に生息しています。

 

チョウザメ科の魚は、湖の深いところですばやく動けるような形をしています。これらの魚の形は細長く、頭から尾ひれにかけて、徐々に細くなっていきます。体長は通常、1メートルから2メートルですが、中には6メートルに達するものもあります。一部のチョウザメの重量は1トン以上になります。

イラン産キャビア

 

チョウザメの多くは卵を産みます。チョウザメは卵を産むために、比較的深さがあり、流れの急な淡水の河川に移動し、産卵します。これらの卵は、水中の草や潅木、あるいは川底の石の影につき、河の水が流れる中で受精が行われます。また、塩水で産卵を行うチョウザメもいます。

 

チョウザメが貴重な魚とされているのは、黒い真珠と呼ばれるその卵のためです。キャビアとは、チョウザメのメスの魚が産んだ卵で、チョウザメのメスが成熟する年齢は、その卵の質に大きく影響します。

イラン産キャビア

 

チョウザメが成熟する年齢は、他の魚に比べて高くなっています。その魚が生息する地域にもよりますが、だいたい、8歳から18歳となっています。

 

専門家や天然資源の保護にかかわる人々は、この問題に注目した上で、チョウザメの保護に努めることができます。例えば、チョウザメの成熟年齢を把握することで、その種を人工的に増やすことができます。また、養殖を行うことも可能です。

 

 

今日、チョウザメの肉や卵への世界的な関心が高まっているため、その貿易が盛んになっています。オオチョウザメは、カスピ海で最大のチョウザメの一種ですが、残念ながら、その数は急速に減少しています。オオチョウザメはベルーガと呼ばれ、キャビアの中でも最高級とされています。イランのオオチョウザメから取られたキャビアの最大量はおよそ100キログラムです。また、イランでは、およそ1400キロ、100歳以上のオオチョウザメが見つかったことがあります。

 

ペルシャチョウザメは、カスピ海のイラン沿岸、つまりこの湖の南部で獲れる種類です。以前はロシアチョウザメの仲間と考えられていましたが、現在は独立した種類と見なされ、ロシアチョウザメよりも大きく、キャビアの質の点でも優れています。

イラン産キャビア

 

ペルシャチョウザメは、栄養価の点で第2位となっています。この種のキャビアは、他のキャビアよりも色の種類が多くなっています。ペルシャチョウザメのキャビアは、世界で最も人気のある種類で、灰色や珍しい種類では金色のものがあります。

 

この他、カスピ海に生息するチョウザメには、ロシアチョウザメがいます。ロシアチョウザメはカスピ海の北部に生息していますが、イラン側、つまり南部にも多く見られます。産卵の際には、ペルシャチョウザメとともに、イランの北部や北東部にあるセフィードルード、あるいはゴルガーンルードと呼ばれる河川に向かいます。

イラン産キャビア

 

カスピ海で見られる貴重な魚のひとつが、シップチョウザメです。この魚はカスピ海の南部の限定的な地域に生息しています。かつては黒海やアラル海にも見られましたが、乱獲などのさまざまな理由により、絶滅の危機に瀕しています。現在、ロシア、アゼルバイジャン、トルクメニスタンのシップチョウザメの数が激減しているため、このキャビアの貿易は禁止されています。イランでも、シップチョウザメは環境保護庁の保護種に指定されています。近年、シップチョウザメを増やすための努力が行われています。

 

最後にご紹介するのは、カスピ海で最も小さなチョウザメである、ホシチョウザメです。ホシチョウザメの卵は、粒の小ささとその品質により、最も安価なキャビアとなっています。しかし、栄養価は他のキャビアとほとんど変わりません。

 

次回は、キャビアの栄養価についてご紹介する予定です。

 

 

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