クルミ(画像)
この時間は、イランの非石油製品の輸出品目のひとつであるクルミについてご紹介しましょう。クルミは、経済的な価値の高い植物で、葉、殻と実、根、茎、幹などのさまざまな部分が、食品や医薬品などの産業に利用されています。
クルミの木が誕生した歴史については明らかではありません。一部では、クルミは人間が誕生する前から存在してきたと考えられています。昔の資料や記述は、紀元前数百年に、すでにクルミが栽培されていたことを物語っています。現在のアジアにあたる小アジア、西アジア、ヒマラヤ地域、中国が、クルミの原産地だと言われています。
クルミの木の高さは、地域によって異なるものの、10メートルから40メートルとされています。クルミの木の幹は銀色、一部は灰色で、葉はよい香りがします。
クルミの木は、極端な寒さや暑さに弱くなっています。クルミの木の生長期間は、それが育つ場所や気候、種類によって異なっています。成長期は3年から20年かかり、その後、実をつける時期が始まります。クルミの木が実をつけ始めるのは、植えつけてから5年から6年ごろです。
クルミの殻が我、色が茶色味を帯びてくると、果実が熟したしるしです。収穫が遅れると、質が落ち、害虫の被害に遭う可能性が高くなります。
クルミは生のままでも、また乾燥した状態でも食べることができ、人々の食品の安全と健康に大きな役割を果たしています。クルミは重要な食品です。
クルミの実には、炭水化物、脂質、糖質、水分、ビタミン、ミネラルが含まれています。クルミはブレインフードと呼ばれていますが、それはこの実が単に人間の脳に似ているからではありません。クルミには記憶力を高め、アルツハイマーやパーキンソン病にかかるのを防止する働きがあります。
クルミにはオメガ3が含まれています。さまざまな研究から、オメガ3は、偏頭痛、ストレス、撃つなどに効果的な影響を及ぼすことが分かっています。クルミの脂質の15%は、心臓の健康を保つのに有益です。また、クルミは、悪玉コレステロールを低下させ、善玉コレステロールを増やします。
クルミには、肺の病気を治療する働きがあります。また、胆石や尿路結石、心臓発作の防止にもなります。クルミをイチジクやバナナと一緒に食べると、記憶力が増すと言われています。クルミに含まれる銅が、鉄分の吸収を助けるからです。また、クルミには、魚や卵、米に含まれるのと同じ程度のリンが含まれています。
クルミの木は現在、世界の多くの地域で自然に生育したり、栽培されたりしています。この木は価値が高く、またつける実も多いことから、経済的な利益の高い生産品としても知られています。近年、世界におけるクルミの栽培面積は100万ヘクタールを超えており、1ヘクタール当たり、およそ3400キロのクルミが収穫されています。
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イランは、クルミの生産と栽培に関して長い歴史を持つ国のひとつです。中には、クルミの原産地をイランだとし、そこから世界各地に広がったのだと考える人もいます。
現在、イランでは、15万ヘクタール近い土地で、クルミが栽培されています。イランは年間20万トン以上のクルミを生産し、生産量の点で世界3位となっています。イランの一人当たりのクルミの生産量は、世界の6倍であり、3キロ近くとなっています。
イランで生産されるクルミの経済的な価値は、15億ドル以上で、その大部分が、国内市場の需要を満たすものとなっています。イラン産のクルミはおいしさと脂質の量により、世界でも良質のクルミとされています。イラン産のクルミ1トンには、およそ640キロの食用油が含まれています。
イラン産のクルミは、高い質を誇るため、イラク、トルコ、ドイツ、イギリスなど、世界30カ国に輸出されています。
イランの各地で栽培されているクルミは、普通の種類のクルミで、それが育った産地の名前で知られています。このほか、クルミの形を指した呼び名もあります。
イラン西部のハメダーンは、気候の点で、クルミの栽培に適した場所となっています。この州の各地で栽培されていますが、その中でも、アルヴァンドという山のふもとに位置する地域は、クルミの栽培に最も適した場所となっています。この地域は、栽培面積の点で、ハメダーン州のクルミ栽培のおよそ3分の1を占めています。
ハメダーン産のクルミは、脂質の量、果実全体に占める種の大きさ、実の大きさといった点で、世界でも最も優れたクルミのひとつとなっています。