6月 19, 2022 18:19 Asia/Tokyo

前回からは、カーシャーンのアーガーボゾルグ・モスクと神学校をご紹介しています。カーシャーンは、イラン独自の美しく伝統的な建築と通風塔の存在で知られた町であり、その至る所に、美しい建物が見られます。

カーシャーンのアーガーボゾルグ・モスク

 

今回はまず、カーシャーンにあるアーガーボゾルグと呼ばれるモスクと神学校についてご紹介しましょう。

カーシャーンのアーガーボゾルグ・モスクと神学校は、イランでも最も美しいモスクのひとつであり、イランイスラム建築の傑作とされ、この地域の砂漠性の気候に合わせた構造やデザインで建設されています。この建物は、イランの乾燥した熱帯地域にある他の建物と同じように、中庭に自然が溢れており、それによって、緑の不足が補われ、心地よい空間と爽やかな空気をもたらしています。

 

カーシャーンのアーガーボゾルグ・モスク

 

アーガーボゾルグ・モスクと神学校は、18世紀の優れた学者であった、アーガーボゾルグにちなんで名づけられました。これらの建物は、19世紀にハージ・モハンマド・タギー・ハーンバーンという慈善家の出資により、集団礼拝や宗教学に関する講座や議論の場として利用することを目的に、建設されました。建物には非常に興味深い設計が用いられており、他のモスクには見られない特徴を生み出しています。モスクは2階建てで、どちらの階からも、広々とした美しい中庭を見渡すことができるようになっています。モスクに入ると、まず壮麗なドームが、2本のミナレットと共に目に入ります。下の階にも部屋があり、中庭の四方を囲むようにして部屋が配置されています。それらの部屋は神学生の学び舎となっています。上の階と下の階は2つの階段によって結ばれており、その階段は、中庭に入ってもすぐには見えないようになっています。

 

カーシャーンのアーガーボゾルグ・モスク

 

アーガーボゾルグモスクの壮大なドームは、レンガ造りになっていて、8本の柱で支えられ、二重構造になっています。内側のドームは、壁で支えられており、外側のドームは、ドームを大きく見せるためのもので、金で覆われています。ドームの上にあるレンガでできた光を採り入れるための窓、壁のいたるところに飾られたコーランの節、礼拝所の美しくシンプルな漆喰細工、神秘的な美しさをかもし出す中庭や部屋、これらはいつまで見ていても、決して見飽きることがありません。

 

カーシャーンのアーガーボゾルグ・モスク

 

モスクの概観とその建築においては、シンメトリーが重要な役割を果たしています。目的もなく作られた余分な空間は一切ありません。カーシャーンは、昼と夜の気温差が比較的大きいため、イラン人の芸術家たちは、地元の建築資材を利用することで、その気温差や強風による問題を解決するための最良の方法をあみだしました。その作業は非常に困難なものでしたが、その芸術と独創性は、見る者の目を惹き付けています。アーガーボゾルグモスクには、3つの礼拝所があり、それによってモスクと神学校がつながっています。建物全体はレンガで造られており、そこに用いられている装飾が、この建物に独特の魅力を添えています。

 


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