1月 21, 2019 05:30 Asia/Tokyo
  • コサックギツネ
    コサックギツネ

今回は、コサックギツネをご紹介することにいたしましょう。

コサックギツネは、イランに生息する4種類のキツネのうちの1つで、非常に珍しいキツネとされています。特に、その毛皮が非常に貴重であることから、ハンターの間で非常に注目されています。このため、コサックギツネの個体数が激減しており、絶滅の危機にさらされています。

このキツネは、森林地帯や高山地帯、砂が流動する本格的な砂漠ではなく、乾燥したステップ地域や半砂漠に生息します。このキツネは、尾の先端が黒または暗褐色となっているのが特徴です。

コサックギツネ

 

コサックギツネが生息している国はトルクメニスタン、モンゴル、アフガニスタン、中国、チベット、そしてイランです。イランにおける生息地は主に、北東部のゴレスターン州や北部のトルクメンサフラー平原となっています。

コサックギツネが生息している地域の地図

 

コサックギツネの体格は小さめですが、普通のキツネよりは手足が長く、またこのキツネの主な特徴は尻尾が地面に届かず、比較的短いことです。また、普通のキツネとは異なり、このキツネの尻尾は先端が黒または褐色になっています。

コサックギツネは、冬になると体毛が非常に長く伸び、白に近い灰色になります。ですが、夏になると、赤みを帯びた黄土色に変色し、体毛も短くなります。この種のキツネは、歯が小さく、平たい頭蓋骨を有しています。また、口の下は白く、体の長さは50センチから60センチあり、尻尾の長さは22センチから35センチほどに及びます。この動物の寿命は、環境によっても異なりますが、およそ3年から12年とされています。

コサックギツネ

 

コサックギツネは、大量の水分を必要とせず、必要な水分のほとんどを食物から摂取します。この動物のえさとなるのは普通、ウサギやネズミなどのげっ歯類、鳥類とその卵、爬虫類、そしてカエルや昆虫類などです。

コサックギツネは、狩りに長けており、ハリネズミをも捕まえることができます。このキツネの巣穴の付近では、ハリネズミの皮や死骸が見つかることが多くなっています。このキツネは、時には野ネズミなどのより大きな動物も捕まえ、動物の死肉や人間の残した廃棄物を食べることもあります。

このキツネは主に肉食ですが、特に獲物が見つからない時期には、果物や植物を食べることもあります。コサックギツネの天敵はオオカミなどの大型動物、ワシなどの猛禽類です。

コサックギツネ

 

コサックギツネは、非常に賢く、すばしこい動物で、最高速度で走ると同時に、走行方面を180度転換し、追いかけている獲物をあらゆる方向に追い込むことができます。

コサックギツネとハイイロギツネは、各種のキツネの中でも、危険が迫った時に木に上ることのできるごく限られた種類のキツネです。もっとも、この2種類のキツネは雪の中に潜んでいる獲物を捕らえることはできないため、寒さの厳しい冬には身を寄せる場所を見つけてそこに隠れます。また、より北の地域に生息するキツネは、冬になると最大600キロまで南方に移住します。

コサックギツネは、雪や暴風雨、敵から逃れるため、地中に隠れ家を見つけます。この種のキツネは、地面を掘る力はありますが、リスやタヌキなどの住みかを奪うことが多くなっています。

 

コサックギツネ

 

コサックギツネは夜行性の動物で、日中にはあまり姿を見せません。おそらく、この動物が今日まで絶滅しなかった理由の1つは、夜行性であることだと考えられます。それは、夜行性であるために日中は多くのハンターの手から逃れられるからです。

このキツネは、他のキツネよりも社会性があり、その一部は集団で1つの巣穴で生活し、一部の地域では互いにコミュニケーションをすることもあります。より小さなサイズのキツネは普通、タヌキやリスなどが彫った穴に住み、冬には食物を確保し、獲物を捕らえる確率を上げるために小さなグループを結成します。

コサックギツネ

 

コサックギツネは、冬に交尾します。メスの妊娠期間は49日間から51日間で、子どもが生まれるまでの間、メスは巣穴を用意します。コサックギツネは、1回の出産で2匹から7匹の子どもを生み、子ギツネは50グラムから80グラムという体重で生まれてきます。

コサックギツネ

コサックギツネの子どもは、秋もしくは生まれた翌年の春までは親元で過ごし、秋が終わり冬が近づくころに親から自立します。彼らは1歳で成熟し、生殖できるようになります。

コサックギツネにとって最大の脅威はハンターです。コサックギツネは、毛皮を目的に捕獲され、また走る速度が遅いことから簡単に捕まってしまいます。今日、イランではこの動物を保護するため、監視カメラが取り付けられ、コサックギツネの行動や住処の状況を調査するとともに、毛皮を目的としたハンターの乱獲を阻止しようとしています。

 

 

ラジオ日本語のフェイスブックやユーチューブなどのソーシャルメディアもご覧ください。

https://www.facebook.com/ParsTodayJapanese

http://youtube.com/channel/UCXfX6KY7mZURIhUWKnKmrEQ

https://twitter.com/parstodayj

https://www.instagram.com/parstodayjapanese/