1月 25, 2019 05:30 Asia/Tokyo
  • ニシオオノスリ
    ニシオオノスリ

今回は、中型の猛禽類・ニシオオノスリの生態についてご紹介することにいたしましょう。

ニシオオノスリは、個体によって体色が様々に異なっていますが、動きがあまり活発ではなく、また行動面での習癖や座り方、首が短いことなどからすぐに探知しやすいと言えます。現在、ニシオオノスリは絶滅が危惧されていることから、イランで保護を必要とする種類の動物に分類されています。この鳥は全長50センチから70センチ、翼を広げるとおよそ110センチから130センチにも及びます。

ニシオオノスリは、空中を飛んでいる際の体型からも認識できます。この鳥の体や翼の配色は実に多種多様ですが、多くの場合はこげ茶色となっています。翼の下の部分は大抵色が薄く、腹部には白い斑点が沢山あります。足は薄い黄色で、足には羽毛はありません。風切羽の先は、こげ茶色から黒といった濃い色をしています。この猛禽類は、ワシよりは首が短く、体全体がコンパクトにまとまっています。

 ニシオオノスリのオスとメスは、互いによく似ていますが、メスのほうが若干大型となっています。また、メスは体の後ろにある羽がこげ茶色に近く、体の前の部分はより明るい色をしていますが、そこには濃い色のラインが走っているのが分かります。ニシオオノスリの瞳はこげ茶色、もしくはハチミツのような黄色で、くちばしは黒くなっています。この猛禽類の体重は、500グラムから700グラムほどです。

 

 

ニシオオノスリは、翼を広げた状態で翼の最先端の風切り羽を上に向け、また尻尾が広がった状態で数時間にわたり飛行できます。この状態で、彼らは翼を伸ばし、上方に維持します。もっとも、ニシオオノスリの飛び方は重々しく、速度はゆるく、時々翼をはためかす程度です。また、獲物を捕まえるときには、ノネズミやモグラ、コウサギなどの小動物の上を低空飛行しますが、動物の死肉も好みます。この猛禽類は時として、獲物を待ち伏せするために木の上に止まり、獲物を発見してからそれに襲い掛かります。さらに、何時間も連続して、物音を立てることなく座って待ち伏せすることもできます。

 

ニシオオノスリは、縄張り意識が強い猛禽類です。また、野生動物の中では非常に珍しい一夫一妻の原則を守っており、一生を終えるまでつがい関係が維持されます。生殖期が近づくと、ニシオオノスリはメスをひきつけるため、求愛行動として空中で雄雄しくゆったりと翼を広げて飛行しながら、輪を描いて見せます。

毎年3月から5月にかけて、ニシオオノスリのつがいは大抵、大木の中でも、枝が3本に分かれている箇所に巣をつくります。ニシオオノスリの巣は、木の細い枝で周りを囲まれ、その中に緑の植物が敷き詰められた構造になっており、メスはそこで2個から4個の卵を産みます。これらの卵は、33日から38日ほどで孵化し、メスは3週間ほどにわたってこれらの雛の上に横たわり、オスがエサを調達します。

ニシオオノスリの雛は、孵化した後50日から60日で羽毛が生えそろいますが、彼らはさらに1ヵ月半から2ヶ月ほどは親鳥からエサを与えられます。ニシオオノスリは、3歳で性的に成熟し、平均寿命はおよそ25歳ほどです。

 

 

ニシオオノスリは、タカ科の鳥類であるノスリの一種です。ノスリは、かなり広範囲にわたる地域に生息しており、その生息地域は大西洋の島々や東ヨーロッパ全域、アジア北部、中央アジアから日本にまで及びます。イギリスや南ヨーロッパ、トルコ、コーカサス地域、日本などに生息するノスリは、年間を通してほぼ1箇所に定住する留鳥とされています。一方で、そのほかの地域のノスリは、完全な渡り鳥、あるいはそれに準じる生息形態をとっています。地理的に最も北の地域で生殖する野鳥は、南方に向かって非常に長い距離を移動し、アフリカやアラビア半島、インド亜大陸、インドシナ半島などで冬を過ごしています。ニシオオノスリは熱帯地域あるいは寒帯地域に移動する際に、群れを作ることもあります。

イランにおけるニシオオノスリの生息地は、同国の北部や北西部、そして西部となっており、通常はこれらの地域で冬を過ごし、生殖します。それ以外の地域は冬を過ごすのみの場所となっています。ニシオオノスリは、樹林や山のふもと、畑作地や樹木の多い地域、海岸地帯の岩などに巣をつくります。

ニシオオノスリの生命を脅かす最大の要因は、不適切なえさの摂取、過剰な暑さや寒さ、そして各種の病気です。イランでは、野生動物の保護団体や環境分野の活動家が、国内に生息するニシオオノスリの保護と絶滅の阻止に努めています。

野生動物の保護団体や環境分野の活動家が、イランに生息するニシオオノスリの保護と絶滅の阻止に努めています。

 

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