2月 18, 2018 15:08 Asia/Tokyo
  • ブドウ
    ブドウ

果物は、食品としても、また輸出品としても多くの重要性を有する農産品のひとつです。その中でも、ブドウはイランの貴重な農産品のひとつとなっています。

果物は、生産条件や気候の点から、熱帯、半熱帯、温暖地域、寒冷地域の4つに分類されます。ピスタチオ、茶、バナナ、ザクロ、イチジク、オリーブ、ナツメヤシ、その他、オレンジやレモン、マンゴー、キウィといったかんきつ類は、熱帯地域や半熱帯地域で栽培されます。また、イランの北西部や西部の温暖地域や寒冷地域、山岳地帯では、りんご、西洋梨、マルメロ、アンズ、アプリコット、桃、サワーチェリー、チェリー、イチゴ、クルミ、アーモンド、柿といった果物が栽培されています。

 

果物

 

イランでは、気候の多様性により、ほとんどの地域で、寒冷、熱帯、温暖地帯の果物を栽培することができます。言い換えれば、イランでは、中部の砂漠の乾燥地帯や熱帯地域、山岳地帯など、さまざまな気候条件の場所が存在するために、多くの果物の栽培が行われています。

 

イランの果物の多様性は、世界でも類がありません。イランは果物の多様性の点で世界3位となっています。世界の農産品としての果物25種類のうち、15種類がイランで生産されています。ピスタチオ、ナツメヤシ、イチジク、りんご、オリーブ、ブドウ、ザクロ、チェリーは、世界でも上位を占めるイランの生産品です。また、ここ数十年では、温室栽培が大幅に増加し、きゅうり、トマト、なす、インゲン豆の栽培が増え、イランの輸出品目に数えられています。

果物

 

この他、イランの果物栽培の特徴の一つは、それらが一年を通して生産されていることです。イランは、3700万ヘクタールの農業用地を有し、世界の13種類の気候区分のうち、11種類が存在するため、さまざまな果物を栽培することができます。このため、イランのほぼすべての州で、果物の栽培が行われています。イランの果樹園の50%以上は、ケルマーン、ファールス、ホラーサーンラザヴィー、西アーザルバイジャーン、東アーザルバイジャーン、マーザンダラーン、ガズヴィーンに位置しています。

 

イランは、果物の栽培に適した条件が整っていることに加え、周辺国に消費市場が存在することから、果物の生産への外国の投資をひきつけています。これについて、イランとイタリアの数社による協力コンソーシアムの存在を挙げることができます。イランとイタリアの数社の間で、果物や野菜の栽培、分類、包装に関する技術移転についての合意書が締結されており、これは、ファールス、フーゼスターン、ロレスターン、コルデスターンを対象としています。気候や生産品の多様性、南部の港に近いこと、ペルシャ湾岸諸国、中央アジア諸国、ヨーロッパ諸国など、海外の消費市場に迅速に製品を輸送できることが、これらの州がこのプロジェクトに選ばれた理由となっています。

ブドウ

 

イランの農産品のひとつに、ブドウがあります。ブドウは食料としても、また経済的にも価値が高く、多くの重要性を有しています。ブドウは、そのまま食べられるほか、干しブドウ、ジャム、シードオイルなどの加工品にもされています。また、エタノールやアントシアニンが抽出され、工業部門で使用されています。

 

イランにおけるブドウの栽培は、少なくとも紀元前2000年には行われていました。そのためイランの人々は、昔からブドウの栽培方法を知っていました。現在、北部の寒冷地帯から、砂漠地帯、南部にいたるイランの多くの地域で、さまざまなブドウが栽培されています。イランの農業用地の30万ヘクタール以上で、さまざまな種類のブドウが生産されており、ホラーサーン、ガズヴィーン、東アーザルバイジャーン、西アーザルバイジャーンが、主な生産地となっています。

ブドウ

 

ブドウにはビタミンA,B,Cの他、カルシウムや鉄分が含まれています。また、ポタシウムを豊富に含んでいます。ブドウは食べ物の消化や胃の吸収を助け、心臓、肺、肝臓の健康を保つのに効果的です。また、リュウマチ、肝臓の障害、消化不良に役立ちます。ブドウに含まれる繊維は、がんや細胞の異常な繁殖を防ぎます。さらに、血をさらさらにしたり、作り出したりします。またブドウの果汁は、心臓を強化し、高血圧による心臓の障害を取り除きます。

 

太りすぎ、あるいはやせすぎの人はブドウを食べるとよいでしょう。朝から昼間でに、食事を一切口にせずにブドウだけを食べるとやせることができ、食事とともにブドウを食べると太ることができると言われています。

 

干しブドウにもさまざまな効果があります。イランは、世界3位の干しブドウ輸出国となっています。

 

イラン中部のガズヴィーン州は、干しブドウの産地で、この地域で収穫されるブドウの80%が干しブドウとして輸出されています。一部の都市で生産される干しブドウは、世界的にも知られています。

 

現在、イランで生産される干しブドウは、アラブ首長国連邦、イラク、トルコ、パキスタン、アゼルバイジャン、カザフスタンなどの近隣諸国の他、ウクライナ、ポーランド、ルーマニア、ハンガリー、ロシア、ドイツ、イギリス、オランダ、スペイン、エジプト、アルジェリア、モロッコ、カナダといった国々に輸出されています。