4月 12, 2018 20:28 Asia/Tokyo

この1週間の経済問題を見ていきましょう。                       

イランのザリーフ外務大臣が、アフリカと南米を訪問しました。

世界の石油市場の状況を分析します。

イランとアフガニスタンの関係についてお話しします。

イランのザリーフ外相が、今週、政治、経済関係を拡大するための協議の新ラウンドを開始しました。

 

 

ザリーフ外相は、8日日曜、政治、経済代表団を率いて、セネガル、ブラジル、ウルグアイ、ナミビアを訪問しました。この訪問には、政府、民間部門のナレッジベース企業、金融、経済、貿易部門の企業関係者や起業家数十人が同行しました。

 

ザリーフ外相は、先週も、トルコ、アゼルバイジャン、ナヒチェバン自治共和国を4日間に渡って訪問しました。この訪問で行われた協議では、二国間関係を強化するための政治協力の拡大、民間部門の協力による経済的な可能性の利用、地域やカスピ海の問題に関して話し合いが行われました。

 

この中で、9日月曜には、テヘランで、イランとウズベキスタンの科学技術、貿易、経済協力に関する合同委員会が開催されました。この会議では、イランとウズベキスタンの政府、民間部門の代表者が、運輸、税関、銀行、投資、スポーツ、観光、文化、認証規格、産業、通信に関する両国の経済協力の拡大方法について意見交換を行い、経済や貿易に関する複数の合意文書が調印されました。

 

ザリーフ外相は次のように語っています。

 

「イランの見解では、広大なアフリカ大陸は、共通の利益に基づく協力のための良好な機会を有している。そのため、セネガルやナミビアをはじめとするアフリカ諸国との経済協力は、イランの外交政策の優先事項のひとつになっている」

 

アフリカ大陸の国々は、それぞれに異なる発展の度合いを持つ開発途上国です。この大陸は、概して、豊かな資源を有し、農業や経済の可能性と大規模な市場を有しています。

 

テヘラン駐在のセネガル大使

 

テヘラン駐在のセネガル大使は次のように語っています。

 

「イランとアフリカの経済協力の戦略的な計画と、経済・貿易関係の拡大に向けたイランの可能性の利用が不可欠である」

 

セネガル大使は、テヘランで開催されたイランとセネガルの経済会合で、次のように語りました。

 

「イランとアフリカ大陸の経済関係は、石油・天然ガス、保健衛生、医療、技術支援など、様々な分野で拡大することができる」

 

イランは、資本、人材、エネルギーなどの資源など、生産の要素の点で、強力な下地を有しています。石油と天然ガスの埋蔵量の点で、イランは世界第1位となっています。

 

アフリカ諸国や南米諸国は、産業、農業、貿易のさまざまな分野で、イランとの協力を拡大することが可能です。

 

ドガールーン税関

 

イラン北東部ホラーサーンラザヴィー州のドガールーン税関が発表した統計によれば、2017年、この税関から、187万7545トン、15億1000万ドルの製品がアフガニスタンに輸出されました。この輸出量は、2016年に比べて34%増加しました。

 

2017年のドガールーン税関からアフガニスタンへの製品のトランジットの量は、109万3070トン、35億9200万ドルにのぼり、その価値は28%増加しました。この税関から輸出された製品の90%が、アフガニスタン第2の経済市場であるヘラート向けのものでした。

 

ドガールーン税関は、100年以上の歴史を誇り、イランで最も古い税関のひとつです。この税関は、輸出入やトランジットなどの分野で活動しています。

 

イランは、アフガニスタンの重要な隣国として、この国の長期的な計画に参入することができます。アメリカのシンクタンク、イースト・ウェスト・センターは、少し前、イランとアフガニスタンの関係について、次のように報告しています。

 

「イランとアフガニスタンの間には、経済協力や貿易を拡大するための絶好の機会が存在する」

 

世界の石油市場のアナリストは世界の石油備蓄の減少と地政学的なリスクの拡大が、今後数か月の石油市場のバランスを促すことになると考えています。先週の原油価格は、およそ4.5%低下しました。

 

アメリカのウォールストリートジャーナルの世論調査では、15の投資銀行が、今年の原油の平均価格は、1バレル60ドルから63ドルになると予想しています。こうした中、現在の原油価格は、このレベルを超えています。

 

原油価格の上昇

 

1月の原油価格は、1バレル70ドル以上に上昇しました。しかし、アメリカのシェールオイルの生産増加の兆しにより、再び、60ドルに戻りました。こうした中、先月は、アメリカ国外の原油備蓄量の減少と、アメリカの核合意離脱の可能性を受けた地政学的なリスクの拡大により、再び、北海ブレントの価格が70ドルほどにまで上昇しました。

 

また、先週はアメリカと中国の貿易を巡る緊張の拡大により、原油価格が下落しました。

 

今年の原油の平均価格が予想を上回っている中で、ウォールストリートジャーナルの報告は、これらの投資銀行の多くが、石油は今年末まで、下落し続けると予想していることを示しています。

 

世論調査に回答した15の投資銀行のうち、8銀行が、原油価格の下落を予想しています。例えば、JPモルガンは、第4四半期のアメリカのシェールオイルの生産増加により、北海ブレントの価格は、およそ50ドルに戻ると予想しています。

 

JPモルガンのアナリストは、「長期的に見て、原油価格は長期的な低下の前に、安定を保つだろう。適正価格は70ドルだ」と語っています。

 

モルガン・スタンレーのアナリストは、次のように語っています。「原油の備蓄量の減少により、市場は、供給を脅かす情報に対してますます神経質になっている。そのため、原油価格は、地政学的なリスクに対して、これまで以上に大きな反応を示すことになる」

 

この中で、一部の予想に反し、OPEC石油輸出国機構と他の産油国による減産合意の実施は続けられています。2019年にも、この合意は継続されると言われています。OPECとOPEC非加盟の11か国は、2016年12月、世界的な原油の供給量を、180万バレルにあたる2%削減することで合意しました。この合意は、今年末まで延長されています。しかし、今年6月にオーストリアのウィーンで予定されているOPECの次期会合で、この合意を脱する方法について話し合いが行われることになっています。

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