4月 14, 2018 21:24 Asia/Tokyo
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今回は家庭内離婚による結果と、それが子供にもたらす悪影響、そしてこの悪しき現象を未然に防ぐという重要なテーマについて考えて見たいと思います。

前回は、全世界で家庭環境を脅かしている要素の1つ、即ち家庭内離婚についてお話しました。

前回お話したように、家庭内の家族関係の冷却化は、夫婦の肉体的、精神的な関係はもとより、感情面や会話にも破壊的な影響を及ぼし、家庭内のプラスのエネルギーや愛情が減少する原因となります。言うまでもなく、この問題は夫婦とその子供たちにとって、実験室のような状況を生みだします。このため、今夜は家庭内離婚による結果と、それが子供にもたらす悪影響、そしてこの悪しき現象を未然に防ぐという重要なテーマについて考えて見たいと思います。

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多くの人々にとっての第1の疑問は、家庭内離婚が子供に及ぼす弊害や影響の程度はどのくらいか、というものです。一部の人々は、夫婦が家庭内離婚の状態に陥った場合、当人たちだけが孤独と感じ、苦しみに耐えており、その子供たちは傍観者でしかなく弊害を受けることはない、と考えています。

複数の調査の結果からは、家庭内離婚が夫婦間の緊張やイライラ、うつ病やストレスにつながることが分かっています。家庭内離婚の当事者は、自分の個人的な健康にも無関心になり、また無意識のうちに家族のほかのメンバーの健康にもあまり注意を払わなくなります。こうした人は、自分の責務をきちんと果たさず、家族に対する自らの責任をいやいやながら淡々と履行している状態にあります。

このような人が女性であれば、家事やそのほかの雑事の雑事をこなすスピードは以前よりも遅れ、それらの雑事が溜まり、或いはやりかけのまま残っているにも関わらず、やろうという気力もなくなるのが普通です。男性の場合、この問題は倍増します。精神的な動揺は外見にも現れ、状況は以前よりも悪化します。こうした条件下におかれた人は、楽しくやることや和気藹々とした集まりの中に入ろうという意欲はなく、通常は一人でいる方を好みます。しかし、これによりうつ病に拍車をかけ、その人は精神的な健康を失うことになります。このような状態が続けば、その人の身体の健康も危険にさらされることは言うまでもありません。このため、家庭内にうつ病の人がいることで、家族のそのほかのメンバーも問題に直面します。

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家庭内における本当に楽しいムードは、その家庭の父親と母親の愛情にあふれた健全な関係の影響によるものです。こうした家庭では、子供たちも安らぎを感じ、躍動的であり、彼らの創造性が育まれることになります。しかし、何よりも大切なことは、子供たちが自らの将来のために適切な模範を選ぶ必要があるということなのです。

家庭内離婚の状態にある夫婦は、自分の子供たちにとっての適切な模範ではありません。それは、彼らが正しい家族関係を教えるために必要な家庭環境を整えていないからです。普通、こうした家庭環境では、緊張やいらいら、或いは病的な無関心ともいえるムードが漂っています。当然ながら、家庭において愛情表現や共感、助け合いの正しい方法を学んでいない子供たちは、人生の次の段階、即ち自らが結婚して家庭を築くことになったときに、困難や問題に対処する能力が欠如しており、ダメージを受ける可能性があります。

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言うまでもなく、私たちは誰もが和気藹々とした居心地のよい家庭を持つことを望んでいます。ここで、多くの家庭にとって、それでは家庭内離婚という事態に至らない、言い換えれば家庭内離婚を未然に防ぐためにはどうすればよいか、という疑問が浮上してきます。

専門家から見て、家庭内離婚を未然に防ぐ上で最も効果的な方法としては、互いに完璧さを求めないこと、生活様式を転換すること、対話や意見交換などが挙げられます。家庭内離婚の根底は、誤った結婚にあります。まずは、夫と妻がそれぞれ自分を変えるよう努力しなければなりません。相手を変えることは出来ませんが、自分自身や自分の要求を変えることは可能です。また、誰に過失があるかという悪者探しをしてはなりません。ここでは誰も裁判官や弁護士ではなく、問題の解決において各人がどのくらいの配分にあるかを考えるとともに、客観的に現実を捉え、また柔軟に対応すべきなのです。自分の友人や血のつながった家族と接する際に、大小様々な過失を大目に見ると同様に、自分の生活のパートナーを自分の一部と見なすことです。このように考えれば、問題の大半は解決できるものだということが分かります。

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今日、物事を透明化し、誤解を解き、夫婦のわだかまりを解消する上で大きな効果を発揮しうる方法は、カップルセラピーと呼ばれる夫婦カウンセリングです。この場では、夫婦の関係を好ましいものにすることを目的に、夫婦に共通した治療が行われます。この治療法において認められるのは、問題が誰か1人のものではなく、複数の人間の間の問題であるということです。この治療法では、互いに相手の言うことに注意して耳を傾けさせる、相手の好むことをさせる、といった様々なテクニックが用いられます。

第1の方法ではまず、セラピストが夫に対し、妻との間に抱えている対立の焦点について自分の考えを述べさせ、妻に対してはそれに注意深く耳を傾けるよう求めます。このプロセスを、夫婦間の誤解が解消され、彼らが正しい夫婦関係を体得するまで継続させます。

第2の方法では、妻がある決まった日に、夫のからの見返りを期待することなく、夫の望むことを行います。また、別の日は、今度は逆に夫が妻の好むことを行うのです。こうしたテクニックの助けにより、少しずつ夫婦間の誤解が解け、夫婦間に優しさや親密感が芽生えてくることが見込まれます。

 

家庭内離婚という事態を回避し、夫婦関係を治療、修復することは極めて大切なことと思われます。

 

 

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