礼拝と祈祷が人間の心と体の健康に及ぼす影響
今回は、宗教を信じることやそれに伴う礼拝、祈祷といった行為が、人間の心と体の健康に及ぼす影響についてお話ししましょう。
神はイスラム教徒に対し、1日5回の礼拝を義務付けています。その最大の効果は、神に近づくこと、神の無限の慈悲にさずかることです。
神が人間に義務付けた宗教行為はいずれも、人間を個人的、社会的に完成させる要素となり、大きな効力を有しています。人間は時間の経過とともに、研究を深めることで、その効力の一部を理解することができるでしょう。今日、世界の医学は、宗教信仰や礼拝、祈祷が、人間の心と体の健康維持に果たす役割について、研究の成果を挙げています。
礼拝のとき、体を清めるウズーを行う前には、アラビア語で7回にわたり「アッラーのほかに神はなし」と唱える事が望ましいとされています。ある行動の繰り返しにより、集中力が高まります。ヨガにおいても、あるポーズを繰り返すことで集中力が高まります。さらに、体に水をかける際に、やはりアラビア語で「預言者ムハンマドとその一門に祝福あれ」と唱える事で、体のその部位に災いが降りかからなくなる、と考えられています。それは、この言葉を唱えることで、全ての神経が体の健康に集中し、それによってエネルギーが得られるからです。
ウズーは、多くの病気を解消します。それは、このウズーによって体の敏感な部分に冷たい水がかかるための効果によります。
興味深いことに、イスラムでは、鍼灸医学で重要とされる体の敏感な部分が、特にウズーのときに守られています。例えば、男性はひじの後ろ側から水をかける必要があるのに対し、女性はひじの前から水を欠けることになっていますが、鍼灸医学においても、体の部位でも特に敏感とされる部位が、男性と女性では異なっています。
ウズーにより、冷たい水でつぼが刺激されることにより、体がはつらつさを取り戻し、痛みが和らぎ、体力や精神力がみなぎり、多くの病気が回復するとともに、内臓が強化されます。
数々の伝承においては、ウズーを行った後に体を拭いてはならず、そのまま自然に乾かすことが奨励されています。それは、体が寒さを感じると、それに対して自然に体温を上げ、その結果として体が乾くからです。こうした熱による刺激により、皮下組織が開き、より多くの酸素が皮膚の組織や筋肉にまで到達し、それにより体にエネルギーがみなぎるからです。
昼夜を通して礼拝することは、精神的な安定を得ることにつながります。神との語らいは、人間が心の安らぎを得る上で非常に重要な源とされていますが、医学者たちの間では、礼拝の時の動作やそのやり方が。医学的に人間の体の健康に大きな効果をもたらすと考えられています。
病人が精神的な安全を感じることは、それを治す上での大きな一歩になります。礼拝に緊張を和らげる効果があるのは、礼拝のときに得られる、精神的な深い感情のためです。そのため、喘息の発作を和らげることができます。また、ウズーのときに呼吸器官が清められるため、喘息の原因をある程度までコントロールすることができます。
また、ウズーの際には口をすすぎ、鼻も洗うことから、多大な効果があり、よりきれいな空気が、より多く大脳や血液、体の内部組織に届く事になります。このことは、人間の聴覚や視覚、嗅覚の維持と強化につながります。
私たちの体の表面が携帯電話やドライヤーといった電磁気に触れているのは、1日のうちのごくわずかな時間に過ぎません。しかし、私たちは一生涯を通して、地面から発生する地磁気という、非常に強い磁気に接しています。地面の磁界を調査した結果、人間は地球のどこの場所においても、イスラム教徒の礼拝の方向であるキブラの方向を向いて立った場合、人間の体に存在する磁界が、地面の磁界と見事に合致するという、驚くべき事実が判明しました。
身体の表面と同様に、神経の電気刺激によって引き起こされる過度の負荷は、脳波に悪影響を及ぼします。特に神経の働きが高い場所へのその影響は、より多くの危険を引き起こすことから、早急にそれを体から遠ざける必要があります。そして驚くことに、それはまさに、ウズーで洗う部分、即ち頭、両手、そして足首から下の部分なのです。
そのために最も弊害が少なく、最もコストがかからず、最も手早く効果を挙げられるのは、水です。興味深いことに、水の純度が高ければ高いほど、より迅速に静電気を逃すことができます。ウズーを行う際には、純度の高い水のほかにも、幾つかの物質の利用が認められていますが、それらのいずれも、水の効果にはかないません。
ウズーにより、体の過剰な負荷を払うことで、脳波が最も理想的な状態で安定します。さらには礼拝の際に神経を集中する事によって、その人の脳波が大きく上昇します。その結果、こうした脳波を生み出す大脳の力が増すことになるのです。