4月 25, 2018 15:05 Asia/Tokyo
  • 西洋社会における雇用保障の欠如
    西洋社会における雇用保障の欠如

今回は、西洋社会における雇用の保障の欠如についてお話することにいたしましょう。

産業時代の到来、そして近代的な産業や工場の建設により、経済活動は大いに変化しました。そうした変化として、経済活動をはじめ、過去とは異なるさまざまな環境への女性の進出が挙げられます。西洋社会に生じた環境は、様々な舞台で女性が能力を発揮する絶好の機会となった一方で、性的な不平等により、多くの女性が二次的な職務に回され、安定した重要な職務は男性に独占されることとなりました。

こうした不平等がさらに表面化したのは、職業を持つ女性が母親としての役割をも果たそうとしたときでした。この点に関する必要な支援がないことから、一部の西側諸国において女性の雇用の保障が脅かされている事がわかっています。

西側諸国で、男性と女性の間の賃金の格差が生じた理由の1つは、これらの国において、子供を持つ事に対する誤った捉え方が存在することです。そのため、男性の収入は増加し、女性の収入は減少します。

 

アメリカ・マサチューセッツ大学の社会学の教授によれば、雇用者側はたいてい、子供を持つ女性の労働者を軽視しているとされています。こうした女性はまた、職探しの際にも多くの問題に遭遇しており、彼女たちに対しては、いざというときに頼れない労働者という見方がなされ、決して同じ職務の男性と同じ賃金を得られないのです。

統計によれば、結婚していない女性は男性の賃金の96%に相当する給与を得ていますが、この数字は、結婚すると77%にまで落ち込みます。収入が少ないまま子供を持った女性にとって、事態はそれ以上に深刻なものとなります。こうした女性たちは、福利厚生の面で不利となり、保育所といった保育サービスを受ける事が難しいため、やむなく労働時間を減らし、結果的に少ない賃金に甘んじるか、もしくは出産後に離職せざるを得なくなります。

 

先に出てきたアメリカ人研究者は、次のように述べています。

「雇用者は、子供を持つ男性については安定して働ける人材とみなしている。とにかく、彼らは家庭を持っており、家族のために働いて収入を得、生計を立てる必要がある。そのため、彼らがほかの事に気を取られる可能性は少ないとみなされる。これに対し、雇用者から見て女性が子供をもったとき、彼女たちはそれまでどおりには働けなくなり、仕事に集中できなくなると見られている」

 

これまでの調査から、男性のみならず、管理職についている女性たちも、男性職員により多く賃金を与えたいと考えており、昇給の際にはまず男性を優先する事が明らかになっています。こうした現実は、女性の職員で、しかも子供がいる場合に明確になります。女性の職員は、出産のたびに給料を4%減らされるといわれています。

これはまさに、女性が母親になる事によって支払うことになる代償といえます。女性はたいてい、出産休暇をとる際に、昇進の機会をも失っています。出産休暇を終えて復帰した後にも、それほど進歩のない単純労働、或いは能力よりはるかにレベルの低い職に甘んじるしかありません。その理由は完全に明らかです。それは、誰かに子供の世話を頼まなければならないか、自分が子供の世話により多くの時間をとられることになるからです。こうした問題により、西側諸国では専門性のある優秀な女性の多くが、子供を持つ事を断念しているのが現実です。

アメリカ・シカゴ大学の最近の研究によれば、アメリカの女子学生が大学を卒業してから10年後の時点で、子供を持つ事を希望しているのはわずか半数にとどまっているということです。また、そのほかの調査からも、出産後に職場への復帰を希望するアメリカ人女性は、全体のわずか7%しかいない事が明らかになりました。スイスでも、職業も持つ女性の40%は子供を持たず、職業を持つ女性の多くが出産を先延ばしにしています。

貧困家庭にとって、就労しながら子供を作る事は、大変困難なことになっています。子供を育てるには、その家庭は重い負担を強いられることになります。このため、多くの家庭は子供を作らない道を選びます、出産後に職を失うことも、家庭にとっての経済面での危機を意味しています。

 

それではここで、女性問題の専門家のアーホンダーン博士の話をお届けいたしましょう。

「今日、西洋社会では女性の自宅外の就労が非常に注目されている。つまり、これは女性にとって最も重要な第1の役割とされており、妻や母親としての役割や文化的な伝統の継承は、副次的な役割とみなされている。すでにお話したように、女性は母親である事を理由に職業面での差別を受けている」

「もう1つの注目すべき点は、男女平等を理由に女性が労働市場に大々的に進出させる事の代償が保育園だということである。こうした保育園では、実の両親よりも保育士に依存する子供が教育され、そうした子供は将来、情緒や愛情の不足した人間となる。子供を保育園に預ける親は、こうした子供たちが大人になって、今度は自らの収入や職業、社会的なポストを維持するために、年老いた親を介護施設に預けるという皮肉な結果が待ち受けていることを覚悟すべきである」

「イスラムは、家庭を安らぎの中心、かつ人格形成と教育の最も重要な場とみなしており、子供を真剣に教育するよう強調している。」

 

イギリスのある慈善団体の調査からも、子供を持つ母親の60%が、自分の子供にかかわる上で十分な時間がないと感じていることが分かっています。また、子供を持つアメリカ人の親たちの74%がこの問題を抱えており、西側諸国では子供の多くが母親の不在に苦しんでいます。

もっとも、一部の国ではこうした問題を解消するための対策が講じられています。例えば、オーストリアやチェコ、フィンランド、ハンガリーでは、職業を持つ母親には3年間の有給の育児休暇が考慮されています。しかし、この点においてアメリカは、経済協力開発機構のそのほかの加盟国よりも低い水準となっています。アメリカでは国内総生産のうち、児童支援計画に回される金額はわずか0.5%に過ぎませんが、この数字はフランスでは1.3%、デンマークでは2.7%となっています。

ヨーロッパ諸国の多くにおいては、出産後の有給休暇が考慮されていますが、ほかの一部の国ではその期間はきわめて短いものとなっています。出産後の育児休暇が最も短い国にはイギリス、オーストラリア、アメリカが挙げられます。イギリス人女性は、出産後の育児休暇はわずかに12週間強しかなく、しかもその間に給料は与えられません。さらに、オーストラリアでは7週間半というきわめて短いものとなっています。

ここで注目すべきことは、アメリカは西アフリカに位置するギニアと同様に、これまで出産後の女性の雇用の保障を支援するための法律が制定されていないということです。アメリカでは、女性の妊娠・出産後の有給休暇はわずか15日に過ぎません。最近、アメリカのトランプ大統領の娘のイバンカ・トランプ氏は、出産後の有給休暇を6週間にまで延長することができるよう提案していますが、これは3週間近く賃金の全額を受給して休む計算になります。

このことから、職業を持つ母親に対する必要な支援がないことから、人権擁護を主張する西側諸国では女性の雇用の保障が危険にさらされていると言えます。専門家の見解では、まともな法体系やきちんとした法的システムにおいて、女性の権利の回復に向けて、男女の本来的な違いに注目し、よりよい女性の就労が考慮されるべきであり、ここで初めて公正な法的システムが確立するとされています。

 

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