2018年6月15日(北川・芝田) (音声)
2018年6月15日(北川・芝田)
(北川)さて、イランでは聖なる断食月のラマザーン月が本日エイデ・フェトル、断食明けの祝祭により終わりました。そして、それと重なるように、4年に1度のアレ、つまりサッカーのワールドカップ・ロシア大会が開幕しました。イランでは全試合放映されるわけなんですが、芝田アナ、イランと日本は当然のことで、今回のワールドカップ、どちらのチームに注目していますか?
(芝田)私はスペインを応援しています。スペインが優勝したらいいな、と思っているのですが、今回のワールドカップは、イタリアとオランダという強豪国が出ないんですよね。。。なんだか信じられないです。何はともあれ、忙しい一ヶ月になりそうです。イランはロシアとそれほど時差も大きくないので、イランで試合をテレビ観戦すると、夜のちょうどいい時間帯に試合を楽しむことができそうですね。すべての試合が放映されますし、それは本当にありがたいです。
(北川)ワールドカップの常連国であるイタリアとオランダがいないワールドカップというのも、何か珍妙な感じがしないでもないのですが、本当に厳しい大会なんだなあと。イランにも日本にも、活躍を期待したいですよね。そろってグループリーグ突破できるよう、願っています。
(芝田)そうですね。イランの人々は、限りなく楽観的に考えると、という前置きで、初戦のモロッコに大差で勝ち、士気を高めて、強豪のスペイン、ポルトガル戦を戦えば、イラン人は調子の波に乗りやすいので予選突破も可能かもしれない、と言っているようです。おまけに突破した後の対戦相手についても話していたりして、気が早いなあと笑ったら、サッカーファンのイラン人に怒られたことがありました。。。イランは最近、4年間守ってきたFIFAランキングのアジア首位の座をオーストラリアに奪われてしまいました。イランはちょっと運の悪いグループに入ったかなとも思うのですが、一日でも多く、日本とイランのワールドカップを見ていたいですね。
●リスナーより
フットサルイラン女子代表のアジア選手権優勝おめでとうございます。スポーツでは女性が活躍すると社会が明るくなるような気がします。
●ラジオより
(北川)さて、芝田アナ、フットサルアジア選手権、イラン女子は決勝戦で日本を破って堂々の優勝となりました。イランのサッカー代表というと、力強い攻撃、ということを自負しているようですが、フットサルの女子代表も、得点力のある選手が多いようですね。日本のサッカーでは決定力不足という単語を20年ぐらい前から聞いているような気がすることから、うらやましいと思ってしまいます。
(芝田)確かにずーっと、得点力不足、決定力不足と聞いていますよね。イランのフットサル女子の優勝ですが、2大会連続の快挙とのことでした。逆に日本は雪辱を果たせなくて残念でした。決定力不足と言えば、また、イランの男子代表チームは、フォワードが充実していて、誰を選ぼうか監督が迷ってしまうくらいだということです。確かに確実に毎試合得点を重ねていますし、決めてくれそうな雰囲気が漂っています。これは見ていて本当にうらやましいです。
●リスナーより
今日の制作番組、「よもやま話」のイラン国立博物館でのテヘランルーブル展を興味深く拝聴させていただきました。イランが世界に誇る映画監督故アッバース・キヤーロスタミー監督の話が良かったです。彼が絵画、写真の活動を経て映画の世界に入ったことを知りました。昨年、イラン文化交流センターで「イラン映画」の歴史の連続講義を受講してきたので明日が、中でもキヤーロスタミー監督の「友達のうちはどこ」についての解説が印象的なものでした。私は以前、この映画を見たときに意味がさっぱりわからなかったのですが、講師の先生が映画の中に隠されたキヤーロスタミー監督のメッセージについて語ってくださり、この作品はイランイスラム革命勝利後から映画が制作された当時までのイランの歩みを巧みに映像の中に取り入れていることを知りました。今日のよもやま話を拝聴して、改めて同氏の偉大さを再認識しました。
●ラジオより
(北川)及川さん、お便りありがとうございます。このテヘラン・ルーブル展、私も先日見に行ってきました。一応説明しますと、この展示会、フランスのルーブル美術館から、ギリシャ・ローマ時代の彫像や文物、近代の写実派のコローの晩年の大作や、その他さまざまな時代のものが来ていました。その傍らで、日本ではキアロスタミとして知られるキヤーロスタミー監督の、ルーブル美術館をテーマにした写真展が行われました。こちらもルーブル展に負けないぐらいの人気で、混雑していました。ちなみに芝田アナ、この人気のルーブル展、先週までだったのが、会期が延長になったそうですね。
(芝田)そうなんですね。それは知りませんでした。私はイラン暦のお正月ごろに行ったのですが、そのときも本当に混雑していました。あれから3ヶ月くらい経つのに、それほど盛況とは本当に人気が高いんですね。私も行った後、周囲の人に勧めました。
(北川)また、キアーロスタミー監督の作品ですが、芝田アナはこれまでどんな作品をご覧になりましたか?
(芝田)私が一番覚えているのは、桜桃の味ですね。この映画は1997年のカンヌ映画祭でパルムドールを受賞しました。1997年、ずいぶん昔の映画ですね。あとタイトルは忘れたのですが、イラン北部の大地震があった地域を舞台にした映画がありましたよね?あの映画は印象に残っているんです。ドキュメンタリーのような映画で、実際の被害の様子が見られたりして。
(北川)そして人生は続く、でしたか。私もあの作品は日本で見ました。
(芝田)キアーロスタミー監督の三部作と言われる作品のひとつですね。私は残念ながら、最近の監督の作品をほとんど見ることができませんでした。2012年には、日本で撮影が行われたと言われる、「ライク・サムワン・イン・ラブ」という映画が、またカンヌ映画祭の候補作になりました。私もこのルーブル展を見に行った後に、キアーロスタミー監督の作品に思い至り、また、ひとつずつゆっくり見たいなと思ったところでした。
●リスナーより
国立博物館での展示会は、安価な料金なのでしょうか?社会見学として学校でも行くのでしょうか。
●ラジオより
(北川)学校の社会科見学で行くかはどうかはわかりませんが、家族連れで来ていた人が多かったので、お子さんの数もものすごく多かったです。そして、入場料ですが、ルーブル展は、イラン人も外国人も一律5万リアルでした。これ、どのくらいの金額かと申しますと、社員食堂の昼食が1食あたり10万リアル弱なので、その半分です。現地で5万リアルで何が買えるかというと、ポテトチップスの家族用1袋ってところでしょうか。1ユーロを7万5000リアル程度と考えると、その3分の2ですから、日本円で85円程度というところです。博物館や美術館のイラン人料金は、外国人からすればうらやましいぐらいの値段です。ちなみにイラン国立博物館の考古学館の入場料はイラン人料金で同じく5万リアル、外国人料金だと30万リアル、つまり6倍です。イスラム館がイラン人で3万リアル、外国人で20万リアルです。考古学間とイスラム館を合わせて、50万リアル、日本円で850円程度ですか。日本の博物館や美術館並みかな、と思います。
●リスナーより
貴局に初めてレポートします。たまたま、イマーム・マハディーの生誕の祝い事で、特別番組を聴けて、イスラム教のいい勉強になりました。私はまだイスラム教を良く知らないのですが、コーランを聞くのが好きで、貴局や、他のイスラム教の国の放送を聴いて楽しんでいます。イスラム教は、理論的に良くできている教えがあると感じます。また欧米やアジアとは違った見方を持っていると思います。これからも貴局を楽しみたいと思います。イランからの放送、がんばってください。
●ラジオより
(北川)さて、IRIBラジオ日本語ですが、芝田アナ、われわれの放送について、他の方に紹介する際、どんな形で紹介していますか?
(芝田)主にイランのことを紹介する番組で、毎日のイラン関連のニュースを中心に、イランの文化、イスラム教、経済、社会について知ることができますよ、といった感じですかね。
(北川)コーランをお聞きになるのが好きとのことで、おススメの番組をお教えくださいませ。
(芝田)コーラン関連と言えば、毎週金曜に放送されている、光のかなたへの旅立ちが一番詳しいです。毎回、コーランの内容について一節ずつ解説していている長寿番組です。時間の関係で一回ごとに紹介できる節は多くても5節から10節ですので、いつまでかかるか分かりません。他にはどんな番組がありましたっけ?
(北川)あとは、イスラムに関する知識を深める、イスラムへの理解ですか。イスラムについてのさまざまな事柄を詳しく、わかりやすく説明しています。こちらもおススメです。