7月 08, 2018 21:02 Asia/Tokyo
  • ござの植物編み
    ござの植物編み

今回は、ござや籠などの植物編みをご紹介することにいたしましょう。

ござや籠などの植物編みも、間違いなく最も古い伝統工芸の一つです、メソポタミアやアフリカで見つかったものには、ござや籠編みが織物や陶器芸術の起源でもあったことを表しています。ござは手というシンプルな道具の助けを借りながら植物の繊維から生み出される織物で、その中で、敷物や籠、器といった様々な作品が作られています。植物編みには、ござ、むしろ、竹細工、籠編みなどがあり、素材やデザインなどが異なっています。

ござ

 

研究者は、人類初の敷物は、メソポタミアの沼に生えていた葦で作られたものであり、植物の茎を複雑に編み、作り出されたござは、絨毯の制作方法を人類に与えた第一歩だとしています。このため、人間によって作り出された初めての敷物はござであり、洞窟居住時代の後の住居は、ござや葦の存在によって現れたと言うことができるでしょう。

ござ

 

植物編みに使用されている素材は、通常、すぐに傷んでしまうので、古いものはなくなってしまいましたが、陶器の前にはござの模造品が使用されていました。というのも、陶芸の型に植物が使用されていたからです。このため専門家は、新石器時代の前に、植物や枝、葉の繊維が使用されていたとしています。残されている一部の作品は紀元前9000年期から7000年期のもので、その製造には螺旋織りなど複雑な方法が用いられていました。

ござの植物編み

 

イランは世界で植物編みの16の製造国の一つとなっています。J.クラークは、「イランの伝統工芸の推移」という著書の中で、このように記しています。「植物織りはイランの北部と南部の工芸であり、そのすべての製造工程が完全に伝統的な方法で、女性たちによって行われている。イラン北部で作られているござは昔から幾何学模様で、一色の天然の葦からできている」。イラン各地の植物編みは、素材によって互いに異なっています。イラン南部の海岸地帯では、ナツメヤシの繊維が、北部の海岸地域では稲や小麦の茎が使用されています。さらに、各地の住民の使用方法によって形や大きさも違います。

ござの植物編み

 

イラン各地の植物編みの原料は、その地理的な多様性によって多種多様ですが、使用されている原料は、各種の葦、イグサ、ナツメヤシの茎、木の皮、柳などの細い枝となっています。ござは主にらせん状か格子状の主に二つの方法で編まれます。らせん状のものは円形のござ、格子状のものは器や敷物を作るのに適しています。

 

植物編みの一種に、作業の中で色のついた糸を使用したり、あるいは編み終わった後に針で色のついた糸を通すことで、模様を描くものがあります。

植物編みは火などの高温、摩擦、衝撃などに弱いですが、それらを保存したり洗ったりするのは非常に楽です。