1月 20, 2019 23:36 Asia/Tokyo
  • イランの伝統的なレストラン
    イランの伝統的なレストラン

今回は、イラン料理についてお話しすることにいたしましょう。

イランの文化や文明の古さに注目すると、イランの料理法は、豊かな歴史を有しています。イランが戦略的に特別な地位を有していることから、イランの料理法 は、インド亜大陸からコーカサス地方まで、そしてアラブ諸国からトルコ、ヨーロッパ、アフリカまで影響を及ぼしています。

イランの料理法は、大衆の間に広まり、一般家庭において、都市や村の女性たちの手によって育まれてきた芸術です。職業という形では男性の手にあったものの、 家庭料理との主な違いはその量であり、調理法には何ら違いはありません。プロの料理は実際、主婦が作っている料理を規模だけ大きくし、さらに多くの器具を 使って作られているのです。

この芸術の創造と発展に貢献した数多くの要因の中で、国内でとれる食材、エネルギー、人間の生活様式の3つを挙げることが出来ます。

色彩豊かなイラン料理

 

イランでとれる食材は、多種多様です。この地では、温暖地域や寒冷地域、砂漠、海、平原、山岳地帯など、さまざまな地形が見られます。またイランは世界の肥 沃地帯に属しており、それはヒマラヤ山脈のふもとから黒海の海岸まで続き、カシミール地方、パキスタン、アフガニスタン、イラン、小アジアからギリシャ、 東ヨーロッパまでを含んでいます。

 

この肥沃地帯でとれる果実や野菜は、香りと味の点で、世界でも稀な存在となっています。また肉、牛や山羊の乳、バター、油も、こうした理由で、世界の他の場所でとれる同種のものよりも、品質の高いものとなっています。

 

この肥沃地帯の比較的乾燥した地域にあるイランは、農業や畜産業を営む上で容易ではありませんが、その生産物の品質は高いものとなっています。

 

イランに存在する植物は、この地帯のどの地域よりも多種多様となっています。このためイランの料理は、香りと味のよい、風味の豊かな食材で作られ、おいしく 味付けるための香辛料などを必要としません。このことから、イラン人の味覚は中庸を好み、繊細なものとなっています。一方、特別な気象条件を有し、農業や 畜産業が容易ではないことから、イランの人々は、苦労して大地から手に入れたものを価値のあるものと見なすようになりました。

 

イランの文化では、小麦、大麦、米やこれらの穀物から作られたものは、神の恵みであり、これに対して敬意が表されています。料理に使われる牛や羊の肉、鶏肉、卵、魚、乳製品にも、特別な趣向がこらされています。

アーブグーシュト

 

イラン料理は長時間、低温でじっくりと調理されます。チェロ、ポロ、ホレシュ、アーブグーシュトなどのイラン料理は、こうした調理法で調理され、蒸され、その食材本来の香りと味を引き出します。もちろん、短時間で調理されるイラン料理もあることも触れておきましょう。

 

イランの料理は、優美な芸術であると同時に、各種の野菜やたんぱく質を調理という形で、芸術的に利用したものと言えるでしょう。

 

イランの料理は難しいものではないというのが基本です。その原則はだいたい決まっていてシンプルなものです。基本を押さえれば、容易に料理に多様性を与えることができるでしょう。このため、イラン各地では、それぞれの気候にあわせた、異なった料理が作られています。

 

 

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