May 25, 2019 22:25 Asia/Tokyo
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今回もイラン人の文化におけるモスクの地位についてお話しすることにいたしましょう。

イラン人はモスクに関する独自の慣習を有しており、その一部がイスラム法によって定められている戒律の遂行です。モスクの床や天井、屋根、内部を汚すことは禁じられています。モスクで汚れを見つけたら人は誰でも、その汚れをすぐにふき取らなければなりません。さらにモスクの内部の空間をきれいに保つために、イスラム教徒は中に入るときには必ず靴を脱ぎます。さらに、モスクをきれいにし、その中で明かりを点すことは、望ましいことであり、モスクを訪れようとする人は誰でも良い香りをまとい、清潔な服を着ていくことが望まれます。さらに、モスクに入った後には、敬意を表して2段階の礼拝を行います。

モスクで行われる様々な儀式には老若男女が参加します。女性たちはモスクではヘジャーブと呼ばれるイスラム的装いを守らなければなりません。こうしてイスラムの決まりに従って適切な装いで髪や体を覆うのです。

イスラム教徒は、モスクの建設に非常に高い情熱を持っています。これはイスラム教徒をモスクの建設に向かわせた多くの言い伝えや伝承に端を発しています。イスラムの聖典コーランでは、モスクを建設する人、その繁栄に携わる人は敬虔な者と呼ばれています。イスラムの伝承では、善行を行う信者が、モスクを建てた場合、そのモスクが存在し、その中で礼拝、祈祷、コーラン朗誦、その他の宗教的な儀式が行われる限り、建設者や寄進者はそれらの行為のご利益に預かる、とされています。神がモスクの建設者に授ける長期的、継続的な報酬や利益は、その所有者の名前が歴史に刻まれるよう、経済的な力のある信者がモスクを建設する動機になりました。

この善き習慣は、イラン人の間で今も続けられています。多くの地域において、善良な人々はモスクの修繕や復興、建設のための費用を負担しています。振興の一部の町でも、一般の人々が協力することでモスクが建てられ、それぞれの能力によって、その職業に従い、モスクの建設における責任を負っています。モスクの建設における協力は、イランのイスラム教徒の文化において広く受け入れられており、多くの人がその財産の一部をモスクの建設や修復に当てることを遺言しています。

これまで、イラン人の文化におけるモスクとその様々な機能についてお話してきました。モスクを訪れる機会のない皆様に、ここからはモスクの内部の空間についてご説明しましょう。モスクは一般に大きな中庭を持っており、その中心には礼拝の前に体を清めるための大きな水場が設けられています。中庭の周囲には通廊とテラスがあります。さらにモスクには尖塔、ドーム、説教壇、壁がん、礼拝所があります。

モスク

 

すべてのモスクには、キブラと呼ばれる礼拝の方向を示す壁がん・メフラーブがあります。キブラはメッカのカアバ神殿の方向を指します。すべてのイスラム教徒はカアバ神殿の方向に向かって礼拝を行います。これはイスラム教徒の社会の統一と信者の心を結びつけるための具体的な例です。このため、カアバ神殿に向かうことは、唯一神の宗教へとすべてのイスラム教徒が向かっていることを意味します。壁がんは、集団礼拝の導師が立つ場所でもあります。壁がんはアーチ型をしており、通常、コーランの節が書かれています。壁がんは、悪魔や欲望との戦いの場所を意味します。壁がんは欲望との戦いのシンボルであり、イスラムの伝承では、「大聖戦」と呼ばれています。

シャベスターンと呼ばれる礼拝所は、屋根のある空間で、礼拝者が集まる場所となっており、男性用と女性用の二つに分かれています。礼拝所の床には絨毯が敷かれています。またメンバルと呼ばれる説教壇もモスクにはなくてはならないもので、通常、壁がんの傍らに置かれ、説教師が座る場所となっています。説教壇は木材でできており、背の高い椅子のような形をしており、説教師は階段を使って上に上ります。

すべてのモスクにはミナレットと呼ばれる尖塔があります。ミナレットは礼拝の時刻を告げるアザーンが唱えられる場所で、そこから人々を礼拝に呼びかけます。このため、ミナレットは実際、モスクの傍らに、高く聳えています。とはいえ、ミナレットの場所には特別な規則はありません。ミナレットはモスクの4つ角に建てられているか、西側か北側、モスクの外側、入り口付近にあることもあります。重要なのは、モスクの各所の間の調和やバランスであり、歴史的、宗教的な価値観や伝統を尊重することは、モスクの設計の調和において非常に重要な要素の一つとなっています。

イランの古都イスファハーンにあるシェイフロトフォッラーモスクなどは、世界の最も優れた貴重な建築と見なされています

シェイフロトフォッラーモスク

 

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