3月 13, 2021 00:21 Asia/Tokyo

イスラム期博物館は、テヘラン中心部にあるイラン国立博物館に併設されています。

イスラム期博物館では、ガージャール朝時代までのイスラム期に関連する遺物が展示されています。

イスラム期博物館は、八角形をした3階建ての美しい建物で、その建築様式は、イラン中南部のビシャプールにあるサーサーン朝時代の宮殿からインスピレーションを得ています。この博物館の面積はおよそ4000㎡あります。

博物館の展示品は時代を追って配置されており、2階と3階には様々なイスラム期の遺物が展示されています。1階は特別展示場になっており、ほぼ1年中、文化的、芸術的なイベントが開催されています。

見学は3階から始まります。3階には、初期イスラム期、セルジューク朝、イルハーン朝の広間があり、それぞれの時代に属する遺物が美しく展示されています。

 2階は、コーラン、ティムール朝、サファヴィー朝、ガージャール朝の広間にあてられています。この博物館の収蔵品は、発掘調査や、サファヴィー教団の教祖であったサフィーオッディーン・アルダビーリーなどの有名なコレクションから選りすぐられたものです。

初期イスラム期広間;さまざまな時代に属するこの広間の展示品は、サーサーン朝時代に類似する芸術性を持っていることから、これらの作品のいくつかは区別することが困難です。広間で最古の生地はこの時代のものです。

セルジューク朝広間;この時代、北東部ゴルガーン、テヘラン南部レイ、中部カーシャーンなどの都市では、様々な技巧による陶器や吹きガラス工芸が隆盛を迎えました。この広間では、セルジューク期の美しい芸術を間近で見ることができます。

イルハーン朝広間;モンゴル来襲の後、衰退したイラン芸術はこの時代に、モンゴル宮廷内でイラン人の大臣であったハージェ・ラシードゥッディーンの努力により、製本芸術が開花しました。この時代の最も貴重な写本の1つは、現存する世界最古の地誌であり、ユネスコ世界遺産にも登録された「諸道と諸国の書」と呼ばれています。この書籍は、ペルシャ湾という呼称の古さと信憑性を証明するものとなっています。

ティムール朝広間;この時期に製本芸術は最高潮に達しました。ティムール朝時代の最高の芸術的成果は現在のアフガニスタン西部を発祥地とするヘラート派の出現であり、もちろんのことながら、モザイクタイル工芸もこの時期に誕生しています。

サファヴィー朝広間; イランでの芸術はこの時代に最盛期を迎えました。時の流れとともにイランの芸術の都はヘラートからイラン中部イスファハーンへと移っていきました。

ガージャール朝広間;この時代の絵画は、それまでの時代とヨーロッパの古典絵画の影響を受けています。これらの絵画は主にペンケース、鏡の額縁、壁などに描かれました。さらにこの時代にはコーヒーショップの壁に絵を描くことが大流行しました。

コーラン広間;美しくユニークな作品を収めたこのホールの中央には、アフシャール朝の初代君主であったナーデル・シャーがヘラートから現在のイラン北東部グーチャーンに持ち帰った、バイスングルの筆による偉大で貴重なコーランの一頁が展示されています。

イスラム期博物館が所蔵する歴史的遺産は、170の展示ケースに1500点が展示されています。

 

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