ペルシャ語ことわざ散歩(26)「ソフラーブが死んだ後の薬」
4月 16, 2021 17:10 Asia/Tokyo
皆様こんにちは。このシリーズでは毎回、イランで使われているペルシャ語の生きたことわざを1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介することわざは、「ソフラーブが死んだ後の薬」です。
ペルシャ語での読み方は、Nuush daaruu ba'd az marg-e Sohraabとなります。
このことわざは、物知らずから過ちを犯してしまい、それを償おうとするものの無意味であること、また必要とするときに間に合わず、手遅れとなることを意味しており、日本語でいう「後の祭り」、また「六日の菖蒲、十日の菊」に相当すると思われます。
このことわざは、イランの英雄叙事詩人フェルドウスィーの名作「王書」の中に出てくる「英雄ロスタムとソフラーブ」の物語から来ています。
英雄ロスタムは、戦いで敵のソフラーブを短刀で刺し殺してしまった後、相手が自分の子供であることに気づき、カーウース王のもとに使いを送り、王の宝庫にある、どんな傷でも治すという特別な薬を求めさせます。しかし、カーウース王はロスタムに敵意を抱いており、もしソフラーブが生き返って父と力を合わせたら自分にとって脅威になると考え、この薬を与えず、死んだ者に薬を与えてももう遅いという意味で、このことわざを発した、ということです。
このように、ペルシャ文学を起源とすることわざは数多く存在します。今後もそうしたことわざを数多くご紹介する予定です。どうぞ、お楽しみに。
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