10月 29, 2021 06:30 Asia/Tokyo

皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。

今回ご紹介するのは、「狼の懺悔は死である」です。

ペルシャ語での読み方は、Toube-ye gorg marg astとなります。

このことわざは、ある物語が元になっています。

羊を襲って食い散らした罪で、狼が裁判官のところに連れてこられ、裁判官は長時間にわたり二度とこのようなことをしないようお説教します。狼はその場ではしおらしく首うなだれて反省の色を示し、懺悔しますが、そこに遠くから羊飼いにつれられて羊の群れがやってくる声を聞きつけ、裁判官の前で理性を失い、「獲物がやってきた」とうなり声を上げたということです。

狼が肉食動物であり、ほかの小動物などを殺して餌にしなければ生きていけないことは、皆様もよくご存知かと思います。狼にとってほかの動物を殺して食べることは本能であり、今後それをしないなどと誓っても、現実的にはありえないことになります。

このことから、このことわざは、犯罪を引き起こすことに慣れてしまった人は、仮に一時期は懺悔、改悛しても、またそれを破ってしまうことがほとんどである、また人間の性格、特に悪い行動や癖は第2の天性となり、まず直らないことを意味しています。悪事をはたらいて懺悔しても、しばらく時間がたつとまた悪事に手を出してしまうという話は、世界中でよく聞かれるのではないでしょうか。

人間はほかの動物と違い、知性や理性によって自分を律することができる唯一の存在であることから、ラテン語で「賢い人間」を意味するホモ・サピエンスと呼ばれるわけです。「ほしいから手に入れる」「やりたいからやる」「言いたいから口走る」ではなく、自らの言動を常に律し、本当の意味での人間らしくありたいものですね。それではまた。

 

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