ペルシャ語ことわざ散歩(70)「『もし』の中には座れない、住めない」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「『もし』の中には座れない、住めない」です。
ペルシャ語での読み方は、Dar agar natavaan neshastとなります。
この表現は、「もし~だったら、~ができる」といったような、仮定の場合の、特にうまい話は当てにならない、事実と無関係な話という意味を表し、イランの著名な詩人モウラヴィーの詩の中に出てくる以下のような話が元になっています。
ある貧しい男が家を探していたところ、その友人がこの男を自分の家のそばにある、建物の廃墟に連れて行き、次のように告げました。「もし、この建物に天井があったらあなたは私の家の隣に住むもし、居間があったら、あなたの家族はくつろげるもし、客間があったら、あなたのお客さんが楽しめる」しかし、この言葉に対し、この廃墟を見せられた男は、『もし』の中には住めない、と返したということです。
ちなみに、ペルシャ語では「もし」という意味の副詞は「アギャル」という言葉で表され、このほかにも同じような意味の慣用句として「“もし”を植えたが芽は出てこなかった」という表現があります。
日本語でも「タラレバ」という表現がありますが、この表現が「もしあの時~だったら、~していれば」というような過去の後悔をさす事が多いのに対し、今回ご紹介したペルシャ語の表現は、現在や未来の話に使われることが多いようです。
実際にはありえない未来を想定したり、または過去を悔いてもそれは無意味な気休めでしかなく、現実的、客観的に考え、行動したいものですね。それではまた。
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