ペルシャ語ことわざ散歩(116)「藁から山を作る」
皆様こんにちは。このシリーズでは、イランで実際に使われているペルシャ語の生きたことわざや慣用句、言い回しなどを毎回1つずつご紹介してまいります。
今回ご紹介するのは、「藁から山を作る」です。
ペルシャ語での読み方は、Az kaah kuuh saakhtanとなります。
もしかすると、文字通りの意味から何となく本来の意味をご想像いただけた方もいらっしゃるかもしれませんね。
これは、小さな物事、大したことのない、重要性のない事柄を大げさに誇張すること、単純で簡単、初歩的なことを複雑化、大きくすること、さらには告げ口などで他人の小さな言動を大事に仕立て上げ、トラブルやいさかいに発展させることなどを意味しており、日本語でいう「針小棒大に言う」という慣用句に相当するかと思われます。
なお、ペルシャ語では藁をカーハ、山をクーフと発音します。発音が少々似ていますね。
ちなみに、英語のことわざでは、「モグラの盛り土から山を作る」と表現されています。
私たちの身の周りでも、ある人や物事、事態に関して相当のうわさを聞いていたものの、実際にそこに行ってみたら、あるいはその人に会ってみたら、口ほどにもない、うわさほどの大した物や人物ではなかった、ということはよくあるのではないでしょうか。
現在ではインターネットやSNSが発達し、外国での出来事なども比較的正確に、リアルタイムで入ってくるようにはなりましたが、それでも過大広告の可能性はいつでも念頭に置き、ネット上のうわさ等を当てにせず、自分の目で確かめること、情報の時代だからこそ、事実をそれ以上にもそれ以下にも捉えず、ありのままに客観的に伝えていくことが大切なのではないでしょうか。それではまた。

