ロシア大統領、「アゼル・アルメニア間の調停に向けた手段あり」
ロシアのプーチン大統領が、 旧ソ連構成国のアゼルバイジャンとアルメニア調停仲介に向けた「手段」を有している、としました。
ロイター通信によりますと、アゼルバイジャンとアルメニアの間で発生した軍事衝突を巡り、ロシアのプーチン大統領は16日金曜、調停仲介に向けた「手段」を有していると述べています。
一方、アゼルバイジャンのアリエフ大統領は同日、ウズベキスタンのサマルカンドで開催されたSCO上海協力機構首脳会議の際にプーチン大統領と会談し、アルメニアとの国境紛争は「安定化」し、ここ2日間は停戦状態にあると語りました。
ただプーチン大統領は、緊張緩和は「良いこと」だが、状況はまだ緊迫しているとの見解を示しています。
一方、インタファクス通信によりますと、アルメニアの高官はロシア主導の軍事同盟CSTO・集団安全保障条約機構の対応に不満を表明しました。
アルメニア政府の発表では、プーチン氏はこの日、アルメニアのパシニャン首相と軍事衝突について電話で協議したほか、パシニャン首相もフランスのマクロン大統領およびブリンケン米国務長官と協議したということです。
アルメニアはCSTOに介入を要請したものの、現時点では調査団の派遣にとどまっています。
これに関して、フランス大統領府は、アルメニアの領土保全と主権に対するフランスの支持を再確認したと発表しました。
アゼルバイジャンとアルメニアの両国の発表では、今回の軍事衝突では200人以上の兵士が死亡したということです。
なお、この両国は2020年9月27日からアゼルバイジャン領内にあるアルメニアの実効支配領域ナゴルノ・カラバフ地域をめぐって紛争しており、同年11月10日にロシアの仲介により完全な停戦で合意しました。
この戦争についてイランは、今回の軍事衝突に対する軍事的解決策は存在しないと述べ、停戦と政治対話の必要性を強調し、軍事衝突への懸念を表明したほか、アゼルバイジャンの領土奪還への支持を表明しました。
また、日本は軍事衝突によって民間人を含む人的被害が出ていることに対して「深刻な懸念」を表明し、全ての当事者に軍事行動の即時停止と最大限の自制、対話の実施を求めています。