北朝鮮がミサイル発射、日本上空通過し約4500キロ飛行 (動画)
北朝鮮が現地時間の4日火曜午前7時22分頃、同国内陸部から弾道ミサイル1発を東方向に発射しました。
韓国ヨンハプ通信が韓国軍の合同参謀本部の発表として報じたところによりますと、北朝鮮は4日午前7時23分ごろ、北西部の慈江道舞坪里付近から中距離弾道ミサイル・IRBM1発を発射しました。
このミサイルは日本の東北地方上空を通過し、同7時44分頃に太平洋上の日本のEEZ排他的経済水域の外に落下したと推定されています。
北朝鮮のミサイルが日本列島を越えるのは2017年9月15日に北海道上空を飛行した中距離弾道ミサイル「火星12」以来で、通算7回目となります。
ミサイルの飛行距離は約4500キロ、高度は約970キロ、速度はマッハ17(音速の17倍)と探知されています。
今回のミサイルについて発射予告はなく、北朝鮮のミサイル発射は巡航ミサイルも含めて今年23回目となります。
北朝鮮のIRBM発射を受け、韓国軍制服組トップのキム・スンギョム合同参謀本部議長は米側と会議を開き、情報を共有するとともに北朝鮮のいかなる脅威や挑発にも連合防衛体制を強固にすることを確認しました。
また、「北の弾道ミサイル発射は朝鮮半島はもちろん、国際社会の平和と安定を害する重大な挑発行為で国連安保理決議に対する明白な違反であり、強く糾弾し直ちに中断することを促す」と主張しました。
そのうえで、「北のいかなる挑発にも圧倒的に対応できる能力に基づき、確固たる対応態勢を維持していく」と強調しています。
なお、日本政府によりますと、現時点で航空機や船舶などへの被害は確認されておらず、同政府は迎撃はしていません。
最近、北朝鮮による弾道ミサイル発射が異例の高頻度となっていることから、日本政府は警戒を強めており、今回の発射直後は、日本政府は全国瞬時警報システム「Jアラート」や自治体向け専用回線メール「エムネット」を使い、避難や警戒を呼びかけています。
岸田首相は首相官邸で記者団に「最近の度重なる弾道ミサイルの発射に続く暴挙で、強く非難する」とし、被害状況の確認や情報収集・分析の徹底、関係国との連携などを指示しました。
一方で、北朝鮮は地域における米軍の駐留を、地域の平和や安全をかく乱するものとして非難し、アメリカの敵対行為が続く限り自らの核・ミサイル計画を続行すると主張しています。
日米韓が対潜戦訓練などを通じて連携を深める中、北朝鮮は米韓両国が先月26日から実施した合同軍事演習への米原子力空母の参加を非難しており、こうした事態などへの反応として北朝鮮は最近、ミサイルを頻繁に発射していると見られます。