視点
第20回中国共産党大会とその行方
中国では今月16日から第20回共産党大会が開始されます。
この7日間の日程で行われる会議の終わりでは、習近平現国家主席が3期目の続投を決めると見込まれています。この前例のない3期目入りが決まれば、習近平氏は毛沢東氏以来、最も強力な中国の指導者となることになります。
中国共産党大会は5年に1回開催され、そこではすべての分野における同国の最も重要な将来の政策が検討されるほか、国家主席による提案が出されます。
習近平氏は2012年に中国国家主席に選出されました。彼は予想に反して、瞬く間に中国のカリスマ的存在となり、終身国家主席とも囁かれるようになりました。習近平氏が権力を欲する人物であるという見方も国内にはあるものの、習氏の伝記を著したアルフレッド・L・チャン(Alfred L. Chan)氏は、彼は富を求めているのではなく、中国を世界一の大国にしようとしているとしています。おそらくは、中国共産党の代表者らの間にそのような見方が存在するがゆえに、習近平氏は中国で尊敬される人物になったのでしょう。しかし近年、習近平氏は中国の行政管理・運営において多くの課題に直面しています。その中で最も重要なものは、台湾問題、中国周辺海域における米軍の駐留、米国との貿易戦争、および現在も新しい変異株に直面している新型コロナウイルス感染症問題です。
これらに加えて、ウクライナ戦争、そして中国とロシアおよびアメリカとの関係についても指摘する必要があります。中国の政界や経済界の大半は、習近平氏がこれまでに中国を取り巻いていた政治、経済、安全保障の紆余曲折をくぐり抜け、さらにはアメリカを追い抜くために必要な力を備えていると信じています。習氏のプラスの業績には、国家の団結の確立およびすべての点におけるその強化、台湾の併合による領土保全維持の断固とした強調が挙げられます。このために、中国共産党の党首として3期目入りの可能性についての話が政界で持ち上がっているのです。
これについて、中国問題の専門家ケリー・ブラウン氏は次のように述べています。
「習氏は信仰心ある人である。彼の信念のすべては、中国共産党と共産主義である」
この理由から、そしてまた同時に、中国共産党大会が歴史的かつ重要な会議とみなされており、中国の将来に対する習近平氏の働きが明確でありかつ党代表らが同氏を信頼していることから、第20回共産党大会はこれまでの会合に比べて、突き当たる問題や微妙な対応が必要な事柄はより少ないと言うことができます。習主席は、国家主席としてのこの10年間、米国の圧力とその脅威に対抗して鉄の男であることを示してきました。習氏は、米中関係を最も大きな問題に直面させたドナルド・トランプ前米政権時代、自己の立場を譲らなかったのみならず、賢明な政策を採用することでトランプ氏とアメリカが引き下がるように追い込んだのです。
現在も、ウクライナ危機や貿易摩擦の継続などの重要な問題は、米中関係に影を落としていますが、習近平氏が率いる中国政府は、国際関係において国益維持に基づいた基本政策を追求する姿勢を示しています。このため、第20回中国共産党大会は引き続き習国家主席の政策に依拠するように思われますが、それゆえに西側のメディアは、中国国家主席の地位を弱めようと、習近平氏が中国の多くの問題の原因になっており、彼が共産党党首として再び選出されるには弱い立場にある、と吹聴しているのです。


