またもイスラムの神聖が侮辱、今度は韓国で
韓国で、強硬派の団体がイスラムの神聖を侮辱しました。
韓国のメディア・KOREA WAVEが6日月曜、報じたところによりますと、韓国大邱(テグ)市北区(プクグ)でイスラム寺院(モスク)建設をめぐる対立が激化しています。
2022年10月には建設現場近くの路地に豚の頭部や豚足を見せつけるように置き、12月には付近で豚肉のバーベキューイベントを、今月2日には同じ場所で豚のゆで肉を食べる行事をそれぞれ開いて、モスクの移転を要求しました。これに対し、留学生らは、相手の文化を尊重しないヘイト表現だと不満を爆発させています。
区は事態収拾を模索し、解決策を提示していますが、両者が受け入れるには至っていません。
裁判で建設が認められたにもかかわらず、反対の住民らが抗議の意思を示すため、工事現場近くで、イスラム教徒がタブー視する豚肉を食べる行事を相次いで開いたことで事態がさらに先鋭化しました。住民側の過激な行動に対し、異文化に不寛容な「ヘイト表現」ではないかとの批判も出ています。
このモスクは、慶北大学の留学生が中心となって資金を集めて、大邱市北区(プクグ)大峴洞(テヒョンドン)の住宅街に建設を計画したもので、北区が2020年9月にこれを許可したため工事が始まりました。
ところが、一部住民やキリスト教団体などが「礼拝による騒音や料理のにおいによって住環境が悪化する」などと反発し、嘆願書を提出しました。
これを受けて区は立場を翻し、2021年2月には行政命令を出して、財産権の侵害や騒音などを理由に工事を中止させました。
この決定を不服とした建築主側が区を相手取り、工事中止の処分の取り消しを求める訴訟を起こし、韓国大法院(最高裁)は2022年9月、「集団請願より宗教の自由が優先させるべきだ」という趣旨の判断を下し、建築主の勝訴が確定しました。
それでも対立は収まる気配がなく、逆に住民らは行動をエスカレートさせています。
これに先立ち、スウェーデンやオランダ、デンマークなどのヨーロッパ諸国で、過激派集団がイスラムの聖典コーランを焼却し、世界に15億人にも上るイスラム教徒の感情を逆撫でするという事態が発生しています。