アジア通貨基金の設立;米ドル覇権の破壊へのさらなる追い討ち
アジア諸国が米ドルやその他の主要な西側通貨への依存を減らすべく、「アジア通貨基金」の設立を提案しており、これは世界におけるドル覇権の打破に向けた重要なステップとなる可能性があります。
SCO上海協力機構およびBRICS新興経済国の構成国は、経済通商協力からのドル排除を目指して措置を講じてきました。
アンワル・マレーシア首相は最近の中国・北京訪問において「アジア通貨基金」の設立を提案しました。同首相は、その後、マレーシア議会において「アジア諸国に経済力をつけることを考えると、わが国がドルに依存し続ける理由は存在しない」と語りました。
さらに、インドの報道各社の情報によりますと、今月1日にはインド外務省も「わが国とマレーシアの間の貿易はインド・ルピーでなされることが可能だ」と表明しています。
このほど提案されているアジア通貨基金は、アジア投資インフラ銀行に幾分類似しています。この銀行は中国のイニシアチブによる国際金融機関で、西側の支配下にあった世界の金融体制の支配を打ち破り、多くの国に歓迎されました。
世界の経済大国である中国は近い将来、現在の世界一大経済国・アメリカを追い抜くと予想され、世界経済からドルを排除する取り組みにおいて効果的な役割を果たしています。
去る3月末にインドネシア・バリ島で開催された、2023年の第1回ASEAN東南アジア諸国連合財務相・中央銀行総裁会議(AFMG)で、ASEANは国際的主要外貨への依存を減らすべく、通商取引の際に加盟国の通貨を使用することについて議論しました。
また、複数の報道によりますと、中国とブラジルも、媒介用通貨として米ドルの代わりに自国通貨を二国間貿易に使用する予定です。
近年、特にロシア・ウクライナ間戦争が始まって以来、アメリカはドルを武器として各国に対して利用して、深刻な損害を与えてきました。各国が米ドルに依存すればするほど、安心感を失っています。