北朝鮮キム総書記、「情報衛星打ち上げの重要な実験を行う意向」
(last modified Wed, 19 Apr 2023 07:47:14 GMT )
4月 19, 2023 16:47 Asia/Tokyo

北朝鮮のキムジョンウン総書記が、増大する米韓の脅威への対抗を目的に自国初の軍事偵察衛星の打ち上げ準備を命じたことを明らかにしました。

北朝鮮はかねてから、米韓が敵対政策をやめない限り、ミサイル・核計画をやめることはないとしています。

北朝鮮のKCNA朝鮮中央通信が19日水曜、報じたところによりますと、18日火曜に同国の国家宇宙開発局を訪れたキム総書記は、軍事偵察衛星の製造が完了したと述べ、「複数の偵察衛星」打ち上げを命じたということです。

キム総書記は北朝鮮当局に対し、今月の指定された時期に同国の情報衛星を打ち上げるよう命じました。

また、「北朝鮮にとって諜報・偵察衛星の打ち上げは最優先事項だ」とし、複数の偵察衛星をそれぞれ異なる地球周回軌道に乗せるよう要求しました。

キム総書記は18日、米国と韓国による地域での合同軍事演習などの行動が増える中で、軍事衛星には国家の安全と領土の安定を守る役割があると強調しました。

さらに、KCNAによりますと、キム氏は状況に応じて先制的に軍を展開する際の衛星の役割と戦略的価値にも言及したということです。

加えて、軍事偵察衛星の入手は「必須」だとし、「国家の主権と自衛のための権利」と形容しました。

これは朝鮮半島の緊張状態を挙げ、「予想される脅威」に対応する必要性に言及したと考えられます。

なお、CNNによりますと、偵察衛星の開発について北朝鮮は昨年12月、「重要な最終段階実験」を実施したと主張しており、同国宇宙開発局は、初の軍事偵察衛星の準備を2023年4月までに終えると発表しました。

一方、米ジェームズ・マーティン不拡散研究センターのデイブ・シュメラー氏は、北朝鮮の宇宙打ち上げセンターの衛星画像を見る限り、打ち上げが差し迫っている兆候は見られないと指摘した一方で、「北朝鮮が道路を移動する車両を使って打ち上げる可能性もある。我々はただ、彼らの動向を待つしかない」としました。

北朝鮮が最近発射したミサイルは、先週発射実験を行った大陸間弾道ミサイルも含め、移動式発射台から発射されています。

 


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