インド、対中国境地帯へのトンネル開通 モディ首相「軍に恩恵」
10月 05, 2020 20:26 Asia/Tokyo
中国と国境を接するインド北部ヒマチャルプラデシュ(Himachal Pradesh)州で3日土曜、ヒマラヤ山脈を通るトンネルが開通しました。
フランス通信によりますと、これによりインドは係争地となっている中印国境地帯への軍の移動が格段に容易となり、開通に立ち会ったナレンドラ・モディ首相は「住民のみならず、わが軍にも大きな恩恵をもたらす」と意義を強調しました。
このトンネルは、ラダック(Ladakh)の対中国境地帯に軍が向かう際に使用する、主要道路2本のうちの1本に建設されました。中国の新疆ウイグル自治区やチベット自治区とも境を接するラダックでは今年6月、共に核保有国である中印の軍が衝突し、インド軍の兵士20人が死亡、人数は不明ですが中国軍にも死者が出ました。
この衝突以降、両国は国境地帯に数万規模の増援部隊と武器を送っており、数か月にわたって緊迫したこう着状態が続いています。
トンネルの建設費4億ドル(約420億円)、全長は9キロとなり、この完成により、地滑りの多いヒマラヤ山脈の山岳ルートを迂回できるようになります。また、国境地帯までの距離は以前より約50キロ、時間にして4時間短縮されました。
寒さと険しい山道により、毎年、1年のおよそ半分しか工事が行えず、完成には10年を要しましたが、モディ政権は中国側で進められているインフラ開発に追い付こうと、この事業を強く推し進めていました。
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