対イラク戦争殉教者の日本人生母・故山村さん、息子の殉教について語った映像
7月 02, 2022 16:46 Asia/Tokyo
イラン在住の日本人で、1980年代のイラン・イラク戦争で息子が殉教した山村邦子さん(イラン名:サバー・バーバーイー)が、1日金曜昼過ぎ、テヘラン市内の病院で亡くなりました。84歳でした。
山村さんは、去る5月末ごろから呼吸疾患のため入院していました。
山村さんは、イラン国際放送ラジオ日本語創設にも大きな役割を果たし、同局の外部専門家として協力を続けました。
山村さんの息子のひとり・モハンマドさんは、1980年代のイラン・イラク戦争(別名:聖なる防衛/押し付けられた戦争)で殉教しました。このことで、山村さんはイランの体制指導部や社会に広く知られ、深く尊敬されることになります。
その山村さんは生前、次のような談話を残しています。
「私には3人の子どもがおりました。
一番下の子どもは1983年に19歳で殉教しました。
イランイスラム革命の創始者ホメイニー師は、1963年6月5日の国民蜂起の日に、「我が兵士たちとなる者たちは揺りかごの中で眠っている」とおっしゃいました。
ちょうどその年に当たる1963年に、息子が生まれました。
彼は、いよいよ明日戦場に赴く前の日、私の元にやってきて、自分の髪を短く整えてほしいと告げました。
彼が椅子から立ち上がったとき、背の高くがっしりした彼のりりしいその姿が目に映りました。
そのとき私はふと、彼の姿を見るのはこれが最後だろう、と心の中でつぶやきました。
彼が殉教するであろうことはどこかで分かっていました。
彼が殉教してから、彼が受験していた大学の合格通知が来ました。
彼の遺言は、ホメイニー師の命令に耳を傾けるように、というものでした」