イラン、スウェーデン裁判所の対ヌーリー氏判決を強く非難
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イラン外務省のキャンアーニー報道官
イラン外務省が、スウェーデンで拘束中のイラン人ハミード・ヌーリー氏に対するスウェーデン裁判所の判決を強く非難しました。
ハミード・ヌーリー氏は、2019年11月9日にスウェーデンへ入国した際、同国の治安当局により家族問題を理由に身柄を拘束され、それ以来30ヶ月以上にわたり拘留されています。

ヌーリー氏は拘束後、あらゆる国際法に反して4ヶ月の間、自身の家族と連絡を取る許可を与えられませんでした。スウェーデン司法当局はまた、ヌーリー氏を2年間独房に拘留し、家族が同氏に会うため幾度もスウェーデンを訪問していたにも関わらず、面会の機会を与えて直接対面することを許しませんでした。
スウェーデンの裁判所は14日木曜、反イランテロ組織MKOモナーフェギンの提示する疑惑を論拠とし、ヌーリー氏を無期禁固刑に処しています。
この判決を受け、イラン外務省は駐テヘラン・スウェーデン公使を呼び出して、これに対するイラン側の正式な抗議文書を渡しました。
イラン外務省のキャンアーニー報道官は「スウェーデンの司法制度は、なぜ同国内で一テロ組織に活動許可を与え、また選択の余地のない対テロ闘争の分野での自らの国際的な責務に違反しているのか、というイラン国民の疑問に答えずに、事実上テロを拡散・支持支持した」と述べています。
また、「わが国にとって完全に明らかなことは、ヌーリー氏の事案は事実や法的な説得性に基づく論拠の一切ない、1つの政治的な行動のための口実に過ぎない、ということである」としました。
さらに、「イランは、ヌーリー氏に対する違法な判決を含むスウェーデン裁判所の声明の内容を根本から拒否し、法的な説得性や正当性が一切ない裁判所の判決に強く抗議するとともに、これによりお両国関係に亀裂を生じさせることになる弊害や損失の責任は、スウェーデンにあると見なす」と強調しています。
ヌーリー氏は、34年前のイランでの事件に関与したとして、スウェーデンの検察庁から罪に問われていますが、この事件の原告は、ほとんどが反イランテロ組織MKOモナーフェギンのメンバーです。
こうした中、1979年のイラン・イスラム革命以来、MKOはテロ活動で1万7000人以上のイラン市民を暗殺してきました。このテロ組織はまた、非人道的な行動と人道に対する犯罪を引き起こしたことから、世界の多くの国のテロ組織リストに掲載されています。
MKOのメンバーはスウェーデン人、特に同国在留イラン人の間でも非常に嫌悪されています。したがって、数千人のイラン人の暗殺を含む、ジェノサイドと戦争犯罪に関与した組織を弁明するスウェーデンの裁判所の論拠は完全に不当だといえます。