イラン外務省報道官、「圧制的制裁の完全解除は核協議の主目標」
イラン外務省のキャンアーニー報道官が、「我が国に対する制裁の完全解除は、イランと核合意署名国との間で現在進行中の協議における主要目標の1つである」と述べました。
キャンアーニー報道官は、5日月曜の記者会見において、圧制的な対イラン制裁の解除を目指す協議の最新状況について、「我が国は、協議調整官に再度、自らの見解を伝えており、相手側の返答、特に米国政府の返答が届くのを待っているところだ」と述べました。
続けて、「イラン外務省が協議において最重要課題としているのは、保証を得ることである。いかなる合意が成立しようと、保証がない場合には、再び違反が行われる可能性がある」としました。
さらに、IAEA国際原子力機関とイランが行う協力に関し、イランの核活動の平和的本質は2015年の覚書や核合意内で確認されているとして、「保証の問題は、2つの側面を持つ。1つ目は、イランが経済的利益を十分に享受できるような制裁解除の保証であり、もう1つは、混乱を引き起こすような政治的行動をIAEAに取らせないことである」と説明しました。
一方、シオニスト政権イスラエルがシリア国内のイラン軍を攻撃したと主張していることについては、同政権の行っているあらゆる行為が違法であり、イランの基地を攻撃したというその主張も根拠のない偽りのものだとして、「シリアのインフラに対するシオニスト政権の違法行為は、米国の支援を受けて実行されている」としました。
そのうえで、「シリア国内における我が国の駐留は、シリアの正当な政府の要請による顧問役としてのものである。同政府が助けを求める限り、我が国は支援を惜しまない」と加えました。
また、エネルギー不足問題の解決に向けたヨーロッパからのイランへの支援要請について、「イランは、豊富な石油とガス資源を持つために、当然ながら主要なエネルギー供給国のひとつに数えられる。さらに、圧政的な制裁にもかかわらずエネルギー市場での自国の存在感を保っており、パートナー諸国との石油取引を続けている」と述べました。
そして、ウクライナ危機およびエネルギー分野でヨーロッパが抱える問題について触れ、「ウィーン協議が合意に達した場合、イランは欧州諸国へのエネルギー供給元の1つとなりうる」としました。