イラン大統領「イランは保証を求める権利あり」、EU関係者との会談で
ライースィー・イラン大統領がEU当局者との会談で、核関連協議について、「対イラン核合意から離脱したのはアメリカ側である。これゆえ、わが国は信頼できる保証を求める権利がある」と語りました。
イルナー通信によりますと、ライースィー師は20日火曜、米ニューヨーク訪問の2日目において、EUのミシェル大統領と会談し、核問題のほかにもパレスチナやアフガニスタン、イエメン、そしてウクライナに関する諸問題の解決に向けてイランが示す提案や解決策を列挙し、「一部の国とシオニスト政権イスラエルとの関係樹立に向けた努力では、同政権にとって安全安全をもたらすことはありえない」と述べています。
また、「各国に対する制裁行使は、人道に反した行動や人権侵害の一部だ」とし、「対イラン制裁は、8,000 万人のイラン国民の権利への侵害であり、深刻な人権侵害の事例だ」としました。
そして、「保障措置問題の解決は、核問題に関する合意締結のための前提条件の1つだ」とし、「保障措置・セーフガード問題が解決されない場合、合意締結の翌日に英独仏の欧州3カ国が対イラン決議案を提案しないという保証はどこにあるか、という問題が浮上する。したがって、セーフガード問題の解決というイランの要求は完全に正当なものだ」と語っています。
さらに、「対イラン制裁が我々を押しとどめたことはなかったし、今後もそれはない。我々は自らの国家発展プロセスを、今後ともしっかりと歩み続けるだろう」と述べました。
続けて、「パレスチナ人の問題の解決策は、すべてのパレスチナ人の参加による国民投票の開催というイランの提案の実施にある」とし、「シャルモッシェイク、キャンプ・デービッド、オスロなどの様々な条約や取り組みをもってしても、パレスチナの人々の権利を確保できなかった。それと同様に、一部の国とイスラエルとの関係の正常化に向けた取り組みも、この政権に安全をもたらすことはできない」としています。
この他にも、「アフガニスタン問題の解決策は、同国のすべての民族・集団や勢力の参加による包括的な政府の形成を支援することである」と語りました。
また、「イエメン問題は、イエメン人同士の対話の開始の前段階となる、同国への侵略の停止および、封鎖解除によってのみ解決できる」と述べています。
一方のミシェル大統領もこの会談で、人権問題を政治的な手段として利用すべきではない、とするライースィー大統領の見解に賛同するとともに、「EU欧州連合は、互いの意見を近づけることによって核合意の復活の土台を整えようとしており、対イラン制裁の問題を常にイランの深刻な懸念の1つだと考えてきた」としました。
そして、「EUとしてイエメンでの紛争停止と和平、イラクでの新政府発足と安定の確立、パレスチナでの和平確立、ウクライナでの戦争の停止、包括的なアフガニスタン政府の発足といった問題において、イランの支援の活用を希望する」と語っています。