イラン外相とボレルEU上級代表が電話会談
イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相とEUのボレル外務・安全保障政策上級代表が電話会談をおこない、制裁解除を目指す協議の最新情勢、イランとEUとの二者関係、およびイランにおける最近の問題について、意見を交換しました。
イルナー通信によります、アミールアブドッラーヒヤーン外相はこの電話会談で、すべての当事者による核合意内責務への復帰を助けるボレル氏の努力に感謝し、「米国側からメディアを介し矛盾する内容の複数の発言が出ているにもかかわらず、現在、合意に向う歩みは正しい道のりに沿い進んでいる。我々はこの点において、IAEA国際原子力機関との技術的な協力を歓迎した」と述べました。
続けて、クルド系女性マフサー・アミーニーさんの死およびイランの現在の情勢に関し、「アミーニーさんの死は私たち全員にとって遺憾なことである。もっとも、この問題は、一部の西側当局にとっては口実にすぎない」と指摘しました。
また、平和的な要求は混乱、殺人、放火、テロ活動とは別の問題であるとして、「ヨーロッパにおいて、暴動に対し最も暴力的な方法で対処することが良しとされる行為であってはならない。一方でイランの法的枠組みでは、そのような行為は弾圧とされている」と説明しました。
さらに、イランには大衆の強力な支持と機能している民主主義があると強調し、「ここは、ビロード革命やカラー革命の起きた土地ではない。イランは、地域の永続的安定・安全が錨を下ろす場所である」と述べました。
そして、「我々は、ロシアと防衛面の協力を行っているが、ウクライナでの戦争に対する我々の方針は、何れの交戦勢力にも武器を送らないこと、戦闘行為の停止、大量難民発生の終結にある」としました。
ボレル上級代表もこの電話会談で、イラン核合意の復活に向けた過程で得られた成果を歓迎するとともに、同国とIAEAとの協力の重要性を指摘して、「イランと米国の受刑者交換に関する合意は、重要なテーマである。我々はこれを、合意達成に向けた前進だと受け止めている」と述べました。
続けて、「我々は、イランの内政に干渉するつもりはない」としました。
また、EUとイランの間でさらに多くの協力が必要であることを強調しました。
そして、ウクライナ戦争で使用される武器や無人機を送らないことを強調するイランの説明について触れ、これは注目に値するという見解を示しました。