視点
イスラム共同体の団結を強調するイラン最高指導者
イランイスラム革命最高指導者のハーメネイー師が14日金曜、体制責任者および、テヘランで開催されたイスラム団結国際会議に出席する外国人ゲストらと会談する中で、「新しい勢力幾何学において高い地位を得るためにイスラム共同体が最も必要とするのは、一致団結である」と語りました。
ハーメネイー師は、「“イスラムの団結”と、新たな世界において影響力を持つ存在となるのは、可能なことだ。だがそれには、現実的な努力および苦難と圧力への抵抗が必要条件となる。そうした抵抗の明白な例が、超大国に屈服しなかったイランのイスラム共和制である。同体制は今や、根こそぎ掘り起こす発想も持てない巨木のような存在になった」と述べています。
1979 年のイスラム革命の勝利後、イランは覇権主義勢力の標的となりました。しかし、一致団結によって実現したこの革命の勝利は、世界においてひとつのイスラムのモデルを提示し、覇権主義国に頼ることなく大きな勢力となれることを、世界のイスラム教徒や覇権体制下にある諸国民に対して、見事に示して見せたのです。
このモデルはまた、敵からの最も厳しい政治・経済、さらには軍事的な圧力にもかかわらず、イランが進歩と発展の道を歩み続けてきたことを証明しました。それは疑いなく、人々の団結と抵抗、そしてイスラム体制なしには実現しなかったものでした。
ハーメネイー師はまた、「世界の政治地図は変わりつつあり、一極体制は追いやられる方向にある。世界規模の覇権主義国の支配は、日を追うごとに以前にも増してその正当性を失っている。このことから現在、新しい世界が形成されつつあると言える。ここで出てくる非常に重要な疑問は、この新しい世界におけるイスラム世界とイスラム共同体の位置はどこになるか、ということだ」と語りました。
イスラム世界の統一は、長年にわたりイラン最高指導者が声明やメッセージの中で常に強調してきた、最も基本的かつ原則的な問題の 1つです。ハーメネイー師は、学者、有識者、政治指導者、イスラム共同体のメンバーに対しての推奨というかたちで、常にイスラム諸国の各政府や社会が団結する必要性を強調してきました。
この優れた点は、国際体制の状況が変化しつつある中、イランイスラム革命と、覇権主義の支配下にある社会やイスラム教徒の間でのイスラムの覚醒および抵抗の文化拡大においてそれが与えた大きな影響が、国際的な覇権主義をさらに弱体化させ、世界で一極主義から多極主義へと変わっていくプロセスを作り出してきたことで、さらにその重要が増しています。
イスラム諸国の進歩と勝利の要因の1つが、つながりと団結であることは明らかです。敵はそのためにこそ、イスラム社会で分離・分裂を引き起こしてイスラム教徒の団結を妨害することで、植民地時代の自らの目標を達成しようとしています。こうした中で、巨大な天然資源を保有する世界の15億人以上のイスラム教徒もまた、団結維持や敵への抵抗の継続によって、新イスラム文明確立に向けて進むことができるのです。
ハーメネイー師も、「イスラム教徒の語る統一、および変貌しつつある世界で高い地位を得ることは、可能なことか?」との疑問を提起した上で、「然り。イスラム諸国間の団結は可能だ。ただしそれには、努力と行動、そして圧力と苦難への抵抗が必要だ」との回答を示しています。