カタール外相、「すべての核合意当事者に復帰呼びかける」
カタールのムハンマド外相が、イランとの核協議に関わっている全当事者に対して、交渉の席に戻るよう求めたとしました。
ムハンマド外相は29日日曜、イランの高官らと会談を行うためにテヘランを訪問しました。
同日イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相と会談を行った後に共同記者会見を行ったムハンマド外相は、その中で、「今こそが、核合意をめぐる問題を解決し合意への復帰に向けた下地を作る、格好の機会である」と述べました。
続けて、「カタールは常に、イランとの地域諸国関係をさらに拡大させようと努めている。歴史的な近隣関係を見れば、両国には宗教および文化面を含めた多くの共通点がある」としました。
その上で、他国の内政に干渉しない良き隣人関係について強調しました。
さらに、パレスチナにおける最近の動向に触れ、「カタールは、シオニスト政権イスラエルの新内閣によるパレスチナ人への行為から起きた最近の緊張を非難する。また、イスラエル内閣対しては、より危険な状況にしかねない一方的な行動を止め、緊張を緩和させるよう要請する」と述べました。
一方、イランのアミールアブドッラーヒヤーン外相もこの共同記者会見において、イランへの圧政的制裁の解除のために同国が行う努力に感謝しながら、「カタールは、すべての核合意当事者をその責務に復帰させようと努めており、本日、彼らからのメッセージを受け取った」と説明しています。
イランに対するアメリカの「最大限の圧力」政策は、バイデン大統領の就任した2021年には、その目標を達成できない状態となっていました。この政策は、アメリカに有利な新たな核合意締結に失敗しただけでなく、大西洋の両側をはさんだ国々の間に分裂を引き起こし、アメリカの外交の主要なツールの1つである制裁の効力を危機に直面させたほか、イランでの覇権主義排斥の流れを加速させることとなりました。
イランは、制裁解除後の検証、核合意存続の保証の獲得、IAEA国際原子力機関の保障措置をめぐる主張の撤回を、制裁解除交渉における主要な要求として提示しており、「核合意への復帰は、それがいくつかの制限と引き換えにイラン国民に具体的な経済的利益を与えるような、論理的と見なされる双方向的なものとなった場合にのみ、受諾可能となる」と強調しています。