イラン関連のIAEA理事会会合が、決議採択なしに終了
IAEA国際原子力機関理事会でのイラン関連の会合が8日水曜、対イラン決議採択なしに終了しました。
イルナー通信によりますと、今回の会合では一部の西側諸国がイランの平和的核計画に対する決議採択を試み、物議をかもしましたが、結局決議は採択されませんでした。
実際、ラファエル・グロッシIAEA事務局長のテヘラン訪問の功績と、保障措置問題での政治的主張の解決をめぐり成立したイランとの合意に同事務局長が満足したことで、他の関係国がこの会談をイランに対するはけ口として利用する口実がなくなった形となりました。
英独仏を中心とする西側諸国は、イラン国内で核兵器製造に必要なレベルに近い粒子が発見されたとする、米ブルームバーグの懐疑的・挑発的な報道により、今回のIAEA会議で新たな対イラン決議採択を望んでいました。
しかし、会合実施の前夜に、西側関係国の陣営内での見解対立が報告され、この点に関する最終決定は、IAEA事務局長のイラン訪問後に持ち越すことが決定されていました。
グロッシ事務局長の2日間におよぶテヘラン訪問および、これにより保障措置上の問題を解決するために出された声明は、反イラン的なムード醸成という西側の目論見を破算に追い込み、実際に、IAEA理事会の会合の成り行きを彼らの思惑とは違う方向へと促しました。
IAEA理事会の開会式で、グロッシ事務局長は、イランとの合意に満足していることを表明し、保障措置の問題を解決するための技術的会議の開催を待ち望んでいると述べました。
IAEA事務局長は成立した合意を振り返るとともに、IAEAの使命遂行のために必要なさらなる監視と査察の継続について、イランが自発的にその許可に同意したと述べました。
そして、この問題の重要性および、IAEA技術チームが近くイランに向かうことに触れ、「我々は重要な業務を目前に控えている」と語りました。
さらに、今回のIAEA理事会会合でグロッシ事務局長が言及したもう1つの議題としては、西側メディアの世論操作やシオニスト政権イスラエルの反イラン挑発行為への警告・注意喚起のもと、JCPOA包括的共同行動計画(通称:対イラン核合意)の実施再開に必要な基盤を打ち立てる上でのIAEAの役割履行の準備が挙げられます。