イランが、ウクライナ航空機事故関連のICC提訴について声明
イラン政府は、2020年のウクライナ航空機墜落事故をめぐりカナダ、ウクライナ、スウェーデン、英国の政府がICC国際司法裁判所に起こした訴訟に関して声明を発表しました。
ウクライナ航空ボーイング737型機は2020年1月8日、乗客176名、乗員9名を乗せてウクライナの首都キエフ(ウクライナ語読み;キーウ)に向かい出発しましたが、テヘラン郊外で墜落し、乗っていた全員が死亡しました。
イルナー通信によりますと、イラン政府が9日日曜夜に発表した声明では、「イラン政府は、ウクライナ航空機墜落事故に関してカナダ、ウクライナ、スウェーデン、英国政府から寄せられた一連の訴えや主張を調査中である」とされています。
また、「わが国が、国際司法裁判所において自国の権利と利益を保護すべく、適切な方式にて必要な措置を講じることは明らかである」となっています。
加えて、「イランは国際航空法の枠組みで、事故調査を担当する独立した技術班を結成する一方、フランス、アメリカ、ウクライナ、カナダ、イギリスの専門家の協力を得て、すべての関連国とおよびICAO国際航空機関向けに、指定された期限内に技術関連報告書を作成・提出した。この報告書は前述の専門家のほとんどが受け入れている」としました。
さらに、「イランは関係国との協議の準備があると常に表明しており、キエフとテヘランの両市でウクライナ政府と3回の協議を行っている。また我が国は、ウクライナ、カナダ、イギリス、スウェーデンの諸国と二国間協議を行う用意があるとも繰り返し表明してきたほか、これらの国々との協議に向けた真剣な外交面の動きを始め、自国の善意や誠意を示しつつこの痛ましい事件の悪用を防ぐために、4カ国の政府との集団協議の場所や日時を提案し、相手側の返答を待っている状態だった」としています。
その上で、「カナダ、ウクライナ、スウェーデン、英国の各国政府はそれにもかかわらず、イラン側の提案を無視して国際司法裁判所に付託し、その行動によって、イランとの協議という自らの側の要求を貫かない様を見せただけでなく、その要求が実際には私利私欲にまみれた自らの政治的目的を遂げるための口実だったことを、はっきりと示した」としました。