視点
イランに軍事目的の核計画が存在しないことを認めたアメリカ
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イラン国旗
西側諸国、特に米国とシオニスト政権イスラエルが繰り返し、イランに核兵器獲得の思惑ありと主張しているにもかかわらず、米国の主要情報機関は、イランが核兵器を求めていないことを認めました。
アメリカ国家情報長官室は10日月曜、機密解除された2ページにわたる報告書の一部で、「イランは現在、実験可能な核爆弾の製造に必要な主要たる核兵器開発活動を行っていない」と再度強調する中で、しかし、イランは依然として自らの研究開発活動を追求していると述べています。
これに先立ち、2022年12月にアヴリル・ヘインズ米国家情報長官は、イランが核兵器製造の決定を下したことを示す情報は存在しないことを認めていました。
アメリカ国家情報局の報告書は、米国のすべての情報機関による情報を総括したものです。イランが核兵器開発目論んでいないことを米の最重要情報機関が認めたことは、一切の核兵器製造に向けた活動を行わないというイランの確固たる立場を改めて裏付けるものです。
その後、2010年2月17日、イランで開催された第1回核不拡散・軍縮国際会議へのイランイスラム革命最高指導者のメッセージの中で発表された同師の核に関する教令では、「我々は核兵器の禁忌を信じることに加えて、生物・化学兵器など、他の種類の大量破壊兵器の使用も禁忌であると考えている」と述べられています。

ハーメネイー師はこれについて、「私は、イスラム共和国が絶対に核兵器を求めず、原子力の平和利用に対する我が国の権利を決して放棄しないことを強調する。我々のスローガンは『原子力はすべての人のためにあり、核兵器は誰のためにもない』である」と述べています。
イランに軍事目的での核計画が存在しないことは、IAEA国際原子力機関も認めている事柄です。イランの核開発計画が平和目的であることは、IAEAの様々な報告書の中で確認されてきており、グロッシIAEA事務局長が、2011年11月中旬、「イランが現在軍事核開発計画を持っていることを示す情報は何もない」と表明しました。
イランの核開発が平和的目的に沿ったものであるにもかかわらず、米国、およびその西側同盟国、さらにシオニスト政権イスラエルはそれを口実に、イランが核における軍事目的を追求していると非難しています。この非難は国家安全保障戦略文書を含む米国のハイレベル文書で何度も繰り返されており、米国はこれに対処すると主張されてきました。
欧米諸国はこれまで長年にわたり、証拠を全く提示せずにイランが軍事核開発計画を持っているという疑惑を理由にイランに対して広範な政治・制裁措置を行使してきました。米ホワイトハウスのジャンピエー報道官は2022年8月「バイデン米大統領はイランの核兵器取得を阻止したいと強調した」と主張しました。しかし、こうした疑惑提示の一方で、イランは核兵器を製造する計画がないだけでなく、その方向に進んでさえいないと何度も表明してきました。実際、核技術を含む「ゲームのルール」を変える技術の獲得を狙っているとするアメリカの対イラン疑惑は、様々な次元でのイランの国力の拡大・増強に対しアメリカが恐怖を感じていることを意味しています。
これらの根拠のない疑惑に反して、イランは発電や医療、農業、その他の分野を含むさまざまな領域で平和的な核技術の大幅利用に成功しました。
イランでは、特に国内の電力需要の見通しを考慮し、原子力発電所による発電が視野に入れられています。これについて、イラン原子力庁のシールマルディ副長官は「わが国は、核技術機器の生産において自給自足を達成した。イランの原子力丁の成果は協議団の勝ち札となる。西側の交渉担当者が最も恐れているのは、わが国に存在する固有の科学と知識である」と語りました。