歴史の一葉;イラン・イラク戦争開戦
イラン暦1402年シャフリーヴァル月31日に当たる今月22日金曜は、1980年代のイラン・イラク戦争が始まった日です。
今から43年前のイラン暦1359年のこの日、旧イラク・サッダーム政権の空軍と地上軍による大規模な攻撃により、イラン領に対する大規模な軍事侵略が始まりました。
イラク軍は、すでに数カ月前からイラン国境地域で攻撃を実施していました。
しかしこの日、イラク地上軍12師団の機甲部隊と歩兵部隊が、全長1000キロを超える前線でイランの西部と南部の国境を攻撃したのです。
イラクによる侵攻開始から間もないころ、イラン国境のいくつかの都市と数十の村が占領され、防衛手段を持たない数百人のイラン人の女性と子供たちがサッダームの拡張主義と野心の犠牲者となりました。
他方、1979年のイラン・イスラム革命の勝利により、ペルシャ湾岸地域における自らの非合法な権益が危険に晒されると見た大国および、この地域の一部諸国の政権は、財政、軍事、政治、プロパガンダ面での大規模な援助を、イラクに対して提供しました。
しかし、彼らはイランに当時発足したばかりのイスラム体制の打倒という目標を達成することはできませんでした。
なぜなら、信仰心を持つイスラム教徒のイラン戦士たちが、イラク侵攻軍に勇敢に抵抗したからです。
結局、サッダーム政権の侵略軍はイラン軍に対する連続的な敗北を喫した後、国際的に認められた国境の背後に追いやられ、イラン暦1367年モルダード月29日(西暦1988年8月20日)、国連決議598号に基づいて両国間に停戦が成立しました。
イランでは毎年、開戦記念日のシャフリーヴァル31日にイラン国民による国防を讃える式典が「聖なる防衛週間」と称して1週間にわたり開催されます。