2023年ムスタファ賞に、イラン人1名・外国人4名が選出
情報通信科学技術、生命・医療科学技術、ナノサイエンス・ナノテクノロジー、基礎・工学科学で特に優秀な業績を挙げた人に贈られるムスタファ賞が、今年はイラン人1名、外国人4名に授与されました。
ムスタファ賞は2年ごとに選考が行われ、先に挙げた4つの分野において秀でたイスラム世界の科学者もしくは研究者に授与されます。この賞の目的は、イスラム世界で最高の科学技術の紹介・評価と、それによるイスラム社会での学術研究の促進・奨励にあります。
国際通信イランプレスによりますと、5回目となった今回のムスタファ賞の受賞式は29日金曜、イスラム団結週間の開始に合わせてイラン中部イスファハーンで開催され、同国のライースィー・大統領も出席しました。
ライースィー大統領はこの式典での演説において、科学は人類の幸福や救済に役立つものであるとしながら、「西側諸国はそもそも、自分たちの目の前に新たな文明が出現することを懸念しており、これがイスラム恐怖症とイラン恐怖症の主な原因となっている」と述べました。
また、「科学がただ権力、富、植民地化、搾取のためのものであるならば、人類の破滅につながるだろう」と強調しました。
さらに、デフガーニー・イラン情報技術担当副大統領も「現在、わが国は偉大な科学者や知識に精通した技術企業を擁する著名な科学大国となった」と強調しています。
なお、今回の5人の受賞者のうち1人となったは、米ハーバード大学で教鞭をとるイラン人のオミード・ファッロフネジャード氏で、対象となった研究テーマは「ポリマーナノ粒子に基づく新薬の設計、開発、臨床評価」でした。
この他、情報通信技術分野では、カナダ・クイーンズ大学のエジプト人科学者アーメド・ハッサン氏が、「ソフトウェア・リポジトリ(MSR)の探索」の研究により受賞しました。
生命・医療科学技術分野の受賞者は、レバノン・ベイルート大学のサミア・フーリー教授で、研究テーマは「多発性硬化症(MS) における新しいアプローチ」でした。
基礎・工学科学分野では、マレーシア科学技術大学教授のアーメド・ファウジ・イスマイル教授が、「膜技術応用の開発」の業績により受賞者に選ばれています。
そして情報技術分野では、アラブ首長国連邦にあるニューヨーク大学アブダビ校のムラット・アヴィサル氏が、「光無線通信」に関する研究で選ばれました。